アメリカの外交政策が「覇権の維持」から「アメリカ・ファースト」へと急速に変化している。これに伴い、日本の操作チームである「ジャパン・ハンドラー」もすべて入れ替わった。これが、小泉政権の可能性が高くなっている日本への影響を解説する。(『 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 』高島康司)
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新しい「ジャパン・ハンドラー」と小泉政権
トランプ政権になってから、外交政策は「覇権の維持」から「アメリカ・ファースト」へと一気に転換した。これに合わせて、日本操作チームである「ジャパン・ハンドラー」もまったく別な面子に入れ替わった可能性がある。
一方日本では、小泉人気の高まりから、小泉進次郎が近い将来首相になる可能性も出てきた。これらが日本にどういう影響を与えるのか検討する。
小泉進次郎農水大臣が打ち出したコメ価格引き下げ政策は、国民の熱狂的な支持を集め、次期総理大臣への道を切り開くかのように見える。小泉大臣本人は5月25日、「北海道の備蓄米。最近こうやって知り合いが日本各地のコメ価格を教えてくれます。2,000円台、出てきた。北海道の自民党の議員の協力に感謝」と写真とともにSNSに投稿し、早速話題を集めている。
6月上旬にも、この2,000円台の備蓄米が店頭に並ぶ見込みだ。不適切発言で辞任した江藤拓前農林水産大臣がほとんど無策だったので、7月の参院選では支持率の低迷から惨敗し、政権交代の可能性も出てきた自民党を救うことになった。小泉人気の高まりから、参院選での自民党の敗北は回避できる可能性が高く、この結果、近い将来石破首相の後任として、小泉進次郎が首相に就任する可能性も出て来ている。
小泉進次郎と「ジャパン・ハンドラー」
周知のように小泉進次郎は、2001年から2006年まで首相を努めた小泉純一郎の次男である。政治家一族、小泉家のまさにサラブレッドである。しかし、小泉進次郎の「ジャパン・ハンドラー」との特殊な関係については、知られていいないことが多い。
進次郎は、決して偏差値が高いとは言えない関東学院大学の経営学部の出身である。その後、アメリカのエリート大学であるコロンビア大学大学院に留学し、政治学修士を取得した。しかしこれは、例外中の例外と言われる「条件付き合格」だったようだ。TOEFLのスコアが600点に達するまでコロンビア大学内の語学講座で英語の授業を受けるルールで1年ほど英語を学び、2005年9月よりジェラルド・カーティスに師事して修士課程をスタートして、1年後の06年に政治学で修士の学位を取得した。これに親のコネとカネが関与した可能性が指摘されている。
コロンビア大学院終了後、進次郎はアメリカの「CSIS(戦略国際問題研究所)」の研究員となった。ちなみに「CSIS」はアメリカの国益を最大化し、覇権の永続的な維持を目的に設立されたシンクタンクだ。そして「CSIS」こそ、アメリカの軍産複合体の利害を代表した日本の操作チーム、「ジャパン・ハンドラー」の拠点である。「ジャパン・ハンドラー」にはジョセフ・ナイ(ハーバード大教授)、リチャード・アーミテイジ(元国務副長官)、マイケル・グリーン(元NSCアジア上級部長)のような人々がおり、日本の有力政治家と接触し、自らの利益にかなう方
向へと政治家を誘導することで知られている。
ちなみに、進次郎が師事したコロンビア大学院のジェラルド・カーティス教授も「ジャパン・ハンドラー」の中核的な人物として知られてる。カーティス教授はCIAとも関係が深い人物だ。
このように小泉進次郎は、「ジャパン・ハンドラー」の人脈をベースにして政治家になった人物とも言える。この結果、進次郎の外交路線は親米を軸にしている。郵政民営化や「年次改革要望書」の受け入れ、イラク侵略戦争の全面支援、市場原理を拡大させた構造改革など、極端なまでの対米従属路線だった父親の小泉純一郎とかなり近い立場だと思われる。
事実進次郎は、TPPをはじめとした自由貿易推進のための改革に熱心に賛成した。元来TPPは日本のマーケットを狙う米国が、日本国内の様々な規制を緩和、撤廃させようとして仕掛けたものだ。
また、農協改革もそうだ。