恋人を乗り換える場合の公式、3つの重要ポイント
たとえばあなたに恋人がいたとしましょう。そんなときに、誰か別の相手からのアプローチを受けたりした場合、あなたはどうするでしょうか?
「今の相手との関係を続けるべきか」
もしくは、
「新たな相手に乗り換えるべきか」
このように迷ったときに決め手となるのが、この社会的交換理論をもとにして、アメリカの社会心理学者ラズハルドによって提唱された公式です。
この公式を簡単に説明するなら、その判断は、
「現在の満足度」+「現在までの投資量」+「変化に必要なコスト」
と、
「乗り換えることによる報酬」
との、どちらが大きいかによって決められます。
色々とややこしい言葉が出てきたので、1つ1つ解説していきましょう。
「現在の満足度」
現在の恋人に対してどのくらい満足しているか、ということ。今の相手が異性として魅力的であったり、色々と尽くしてくれる人ならば、高くなるわけです。
「現在までの投資量」
今までに恋人に対して向けてきた労力・時間・お金などの、いわゆる「今の相手へのコストの積み重ね」です。ですので単純に長く付き合っている恋人や、「今までに色々と苦労させられてきた」という相手の場合、自然これが大きくなり、別れにくくなるわけです。
「変化に必要なコスト」
新しい相手に乗り換える場合の労力などのマイナス要因。今の恋人がとても嫉妬深くて、別れるのも大変そう…とか、振ったらクラスの人に何ていわれるか分からない…といった要因が強い場合、別れにくくなるということです。
すなわちこれら全部の総和を上回るだけの「乗り換えることによる報酬」がないと、「相手を乗り換える」という行動を起こすまでには至らない、ということ。
一言でカンタンに言うなら、「面倒なコト以上のプラスがなきゃイヤ!」となるわけです。
契約を変えるときの迷い?
これを経済的な例で考えると、こうなります。
あなたが今、ある会社に勤めているときに、突然他社からヘッドハンティングされたと考えてみてください。このときに、下のAとBでは、どちらの方がその誘いに乗りやすいでしょうか。
A「今の会社が年俸500万円、すでに30年間勤務していて、途中契約解除による違約金が1000万円で、新しい会社の年棒が600万円」
B「今の会社が年俸300万円、まだ1ヶ月しか勤務しておらず、途中契約解除による違約金が100万円で、新しい会社の年棒が1000万円」
…おそらくほとんどの方が、Bのはずです。
これはBが、「満足度」「投資量」「コスト」いずれも低く、「乗り換えた報酬」が高いからです。
話を恋愛に戻すと、この理論によって、自然、別れる理由のほとんどは、「新しく好きな人ができた」となるわけです。それ以外の理由があることは、かなりレアでしょう。
「他に好きな人ができたわけじゃないの。ただ私、なんだか疲れたの…」と言う場合、実際は別の相手ができたことを隠していることがほとんどです。
うううう…。今回のテーマは、身につまされることが多すぎます…。
離婚を防ぐ、意外な要因!?
また、実際に結婚したカップルは、年がたつにつれ、相手への「満足度」は少しずつ低くなっていくことが知られています。しかしその分、年齢とともに相手への「投資量」が増えてくるので、簡単には「離婚」とはならないのです。
また老いてくるにつれ、今以上に満足な相手が近づいてくる可能性は減ってきますので、「乗り換えることによる報酬」も下がるわけです。
相手のコストを高めると同時に
よってあなたに恋人がいて、もし今の相手をずっと側においておきたいと思うのなら、ただ単に「現在の満足度」を上げておくのはもちろんのこと、
「現在までの投資量」+「変化に必要なコスト」
を上げておくことも大切なのです。
それでは、具体的にはどうすればいいのでしょうか?