古河機械金属<5715>
AI向け先端半導体の製造装置に使われ、生産能力を引き上げる材料「窒化アルミセラミックス」を手掛ける。半導体ウエハーに回路を形成する工程で放熱しやすくする。加熱と冷却を繰り返す際、素早く温度変化に対応できる。
窒化アルミセラミックスをつくるには専用の炉が必要。当初は栃木県日光市の工場にある4基の炉で製造し、23年にいわき工場(福島県いわき市)で2基増やした。今回、いわきでさらに2基作り、27年に合計で8基体制とする。生産能力は当初の4基体制に比べ2.2倍に高まる。需要の動向次第でさらなる増強も見据える。
足元は、大型プロジェクトの計画遅延により受注時期がずれ込む産業機械部門などが振るわないものの、北米向け油圧ブレーカおよび油圧クローラドリルの大型機種が出荷増となるロックドリル部門、および金属価格変動による価格差益がある金属部門は増収増益。
26年3月期は、売上高が前期比1.8%減の1975億円、営業利益は同18.1%減の80億円、純利益は同59.7%減の75億円を見込むが、2Q時に大幅な上昇修正を施したことで株価は急騰。

古河機械金属<5715> 週足(SBI証券提供)
本日(14日)、年初来高値を更新した。
日産化学<4021>
今週10日、2026年3月期の連結純利益が前期比2%増の440億円になる見通しだと発表。9億円上方修正し、2期連続で最高益を更新する。
けん引役は半導体材料で今期の同事業の営業利益は10年前の2.7倍になり全体の過半を占める。農薬に並ぶ稼ぎ頭となり業績の安定感が増している。生成AIの旺盛な需要を背景に露光工程で用いる反射防止材や多層材料などの需要が想定以上に多い。
日産化学は半導体受託生産の台湾TSMC)や韓国の半導体大手に納入実績があるとみられ、反射防止材はアジア圏で7割のシェアを握る。顧客が求める性能を実現する開発体制に強みがある。
足元は、農薬を扱う農業化学品も堅調。殺菌剤の「ライメイ」の販売が欧州を中心に堅調だ。日本国内のコメ価格の高騰で農家の作付け意欲が高まっており、稲向け除草剤が伸びている。

日産化学<4021> 週足(SBI証券提供)
今年5月公表の28年3月期までの中期経営計画では初めてM&Aの活用を明記。新製品の売上高を前期(113億円)の2倍以上にする計画としている。
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『
田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット
田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット
』(2025年11月14日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による