与野党ほぼすべての政党が何らかの形で消費税減税を提示したので、自民党の「セールスポイント」にはなりません。新党「中道」への対抗策だったのですが、選挙で勝てそうなら無理をする必要がないと判断したようです。むしろ高市総理にとっては財政拡張策が長期金利の急上昇をもたらしたと批判され、この金利の動きに神経質になっていました。
実際、1月19日の解散宣言時に消費税の話を持ち出したために、翌日の市場では10年国債利回りが2.38%まで急騰しました。これで財務省は慌てました。円安とともにこの長期金利高に対しても何らかの手を打つ必要がある、との危機感を強めました。そしてこのところ消費税に高市政権が慎重になると、長期金利はまた低下を見せています。30日には10年国債利回りは一時2.236%まで低下しました。
この消費税減税のみならず、与野党こぞって労働者の手取り増を訴え、これに伴う減税も意識されました。また野党の中には税金よりも社会保険料の引き下げが重要と訴えるところもあり、選挙を機に税社会保険料引き下げがさらに財政危機につながる意識が高まりました。
その中で金利上昇に危機感を持つ自民党が選挙戦有利を利用して減税ムードを冷やしにかかったことになります。与党が過半数を確保すれば、消費税減税の動きはしぼむ可能性があります。
日本人ファーストと排外主義
安全保障と同様に、保守系政党に共通して日本人ファーストの声が高まり、トランプ大統領と同様に、日本でも排外主義が広がりつつあります。これも注意が必要です。観光地での中国人などのマナーの悪さとオーバーツーリズムが重なって、観光で日本人が排除され、地元日本人の生活が不便を強いられている面は否定できません。
これに台湾問題を機に、中国が反日攻勢を強めているために、国内に反中国ムードが高まりました。中国が攻勢を強めるたびに却って高市政権の支持率が上がる現象まで見られました。この排外主義が人手不足で外国人労働者に頼らざるを得ない現場に不安を高めています。外国人労働者が日本人の職を奪っているとの批判にもなっています。
現実は異なります。日本人が職を奪われているのではなく、むしろ人手不足で介護労働者や建設現場では低賃金や危険性を嫌ってか日本人労働者が確保できず、その穴埋めを外国人労働者でカバーしているのが現実です。
ところが保守系政党は業種ごとに外国人の受け入れ枠を設けようとしています。これで外国人労働を使えなくなると、介護施設や建設業者は経営が成り立たなくなり、倒産が増えかねません。安易なポピュリズムが経済をかえって悪化させます。






