35年間連続で経常収支が黒字の先進国は日本だけだった
経常収支とは、国際収支のうち、財貨やサービスの取引による収支を表したものです。経常収支は一国の対外的な経済力を示します。日本はこの数値がほぼ一貫して、黒字です。赤字を記録したのは1980年の1回だけです。
35年間連続で経常収支が黒字の国は先進国では日本だけです。GDPの2~4%は海外との貿易で稼ぎ出しています。
※日本の経常収支の推移 – 世界経済のネタ帳
海外から日本を見た時に、この「安定したキャッシュフロー」はとても魅力的に映るのです。
日本とドイツの経常収支を比較すると
他の国の経常収支も確認してみましょう。
比較的、日本と似たようなビジネスモデルを持つドイツの経常収支はどうなっているのでしょうか?
21世紀に入ってからは、ドイツの方が日本よりも経常収支の黒字幅が大きく、GDPの占める割合も高いです(近年では概ね5~8%)。しかし、2001年までは赤字の年が多く、安定していません。
※【関連】ドイツの経常収支の推移 – 世界経済のネタ帳
ここで、ナニワ金融道の灰原・桑田が、なぜ公務員にお金を貸したがるかを思い出してください。
「安定している」ことが重要なのです。
その点、35年間、黒字が続く我が国の経常収支の安定度は、他国が追従できないレベルに達しています。経常収支の黒字が続いているため、対外純資産は日本が世界一となっています。
先進国になっても資源のない我が国は輸出基盤を温存させてきました。このことは「円安で破たんしにくい体質」「破たんして円安になっても復活できる体質」であることを示しています。