いったい何が起こる?日本円が「リスク資産」になるとき
個人の資産が約1700兆円、政府の負債が約1200兆円。政府の負債は次のようなペースで増えていっています。
1986年 241兆円
1996年 523兆円
2006年 942兆円
2016年 1245兆円
最低でも10年で1.3倍以上になっています。
我が国の人口は今後、毎年50万人以上、減っていくため、個人の資産が大幅に増えていくことは考えにくい状況です。
政府の負債が今のペースで増えていけば、2026年には1600兆円に迫るでしょう。そうなると、海外投資家は通貨「円」に対して、悲観的な評価を下すようになるはずです。
10年も経てば、世界は一変してしまいます。
今は空前の低金利でなんとか政府は耐え忍んでいますが、借金は返済しなければ複利でどんどん増えていきます。
ナニワ金融道で、泥沼というサラリーマンが帝国金融に180万円の借金をするというエピソードがありました。
泥沼は帝国金融以外から借金をして、180万円の借金を48万円に減らすことに成功しました。しかし、いつの間にか帝国金融以外からの借金がトータルで200万円を超えてしまいました。
泥沼は灰原に愚痴を言います。
「全然、借金が減らない」と。
それに対して、灰原はこう諭します。
灰原:
「そりゃーそうでしょう。僕もそうだと思いますよ。だって実際に泥沼さんが汗水流して返済したのは12万だけなんですからね。確かに金策であちこち走り回ったことでしょう。でもそれは借金です」
泥沼:
「組合からの金も回数券で作った金もみんな借りた金やから……実際に働いて返済したのはわずか12万だけやったんか……」
借金は汗水流して返済しないと、元本は減らない!元本が減らなければ、複利で借金は増加していきます。政府が巨大なリスクを抱え込んでいることには変わりはなく、リスクが顕在化すれば、通貨安(円安)に一気に向かうのです。