「失ったときの悲しさ」も基本は同じ。ただし…
あわせて表にすると、こうなります。
いかがでしょうか。赤色が喜び、青色が悲しさの点です。悲しみに関しても、基本は同じ。やはり「カーブが鈍くなる」のです。
たとえば、点C「10,000円失う悲しさ」と、点D「20,000円失う悲しさ」。後者は前者より悲しいですが、2倍というほどではないはずです。同じように、「101億円失う悲しさ」と「100億円失う悲しさ」は、「たいして変わらない」ですよね。
マイナスに関しても、プラスと同じように、感じ方はどんどん鈍くなるわけです。
悲しみの方が、喜びよりも、ずっと大きい!
しかし、ここからが重要。
このグラフによると、「同じ金額の場合、悲しみの方が、喜びよりも、ずっと大きい」ことが分かりませんか?たとえば、
点Aは、10,000円を得たときの喜び。点Cは、10,000円を失ったときの悲しさ。比較すると、点Cの方が、ずっと強いことが分かるはずです。
なぜ悲しみの方が大きくなる?
たとえば想像してみてください。
あなたが、誰かに突然、10,000円をもらいました。しかしその10,000円を、落としてしまいました。このときに、「あ、じゃあプラマイ0だ」と思えるでしょうか?おそらくその答えはNOのはず。
「せっかくもらったのに、落とすなんて~!」
というように、マイナスの方がずっと強くなるはずです。これは順番が逆でも同じこと。
「10,000円を落とした直後に、偶然に他の人から10,000円をプレゼントされた」
この場合も、「あぁ…これで差し引き0円になったのはいいんだけど、あのとき落とさなければ、素直にプラス10,000円だったのに…」
というように、やはりマイナスの方がずっと記憶に残るのではないでしょうか。すなわちここまでをまとめるなら、
- 喜びも悲しみも、それが大きくなるにつれて、感じ方が鈍くなる
- そして同じ額のものなら、プラスの喜びよりマイナスの悲しさの方が、ずっと強くなる
ということ。このことを覚えておいてください。