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「ヘリマネ妄想」に取り憑かれた市場、冷水を浴びせる7月日銀会合=E氏

日銀7月追加緩和の可能性は半々

現時点での追加緩和の可能性は半々です。

今の状況では、2%のインフレ目標の達成は困難ですので、何らかのアクションを行っても不思議ではありません。

その一方で、従来、黒田日銀総裁はマーケットの期待度が低いときにサプライズ狙いで緩和を決定していましたが、今回は事前の期待が妄想に近い状況なので、何もしないという可能性も十分有り得ます。

日本株がこれだけ上がっている中で駒を使うと出尽しと取られて下がった場合に対処できなくなるというのは今年1月のアクションで学んだはずですので、今回のECBのように駒を温存するためです。

追加緩和が行われるとしたら、マイナス金利幅拡大か、国債買い入れ増額か、ETF買い入れ増くらいですが、マーケットインパクトでポジティブなのは国債買い入れ幅増額のみで、あとの二つは失望もしくは材料出尽くしと取られる可能性が高いです。

しかし、国債買い入れについては、既に限界近く、現行の買い入れ額を削減すべきだという声すら出ていますので、大幅に増やすのは困難でしょう。

そう考えると、今回追加緩和を決定した場合、今年1月のマイナス金利導入決定と同様に、材料出付くしと取られマーケットが下落に転じる可能性がかなり高いと思われます。しかも、非現実的なヘリマネまで妄想していただけに失望は大きいため、円相場は今年2月上旬のように大幅に上昇する可能性が高いです。

一方、ノーアクションの場合も下落に転じますが、今回は黒田日銀総裁が上のように再三クールダウンしているので、激しい失望には繋がらず、過去2週間のアヤを徐々に吐き出していく形になると思われます。

世界的な「躁鬱病マーケット」の正体

Brexitのショックで適正水準が判らなくなったせいか、世界のマーケットは激しい躁鬱病に掛かってしまったようです。週単位で悲観と楽観が激しく繰り返していましたが、今月上旬発表の米雇用統計以降、米国株が何かに取り憑かれたかのように連日のように史上最高値を更新しています。

雇用統計が強かったことによる経済に対する安心感が最大の理由ですが、強い雇用統計は次期利上げ前倒しになる可能性が高まるので、一般的には無条件に株価上昇には繋がりません。他のアセットとの乖離を見れば明らかです。

ドルや30年債を見る限り、雇用統計で相場トレンドは変わっていません。FOMC要人はタカ派発言にシフトしたのですが、そうはいっても不透明要因が多いので早期利上げは困難だろうという見方からです。不透明要因が多いのは米国株も同じ事なのですが、米国株だけが楽観の極値のような動き方をしてしまっているのです。

この流れが他の地域の株式市場にも波及する形で、この2週間ほどかなりリスクオン的なマーケットが続いています。

Brexitでよくなったことは何一つなく、かといって中央銀行の金融政策が過剰流動性供給方向にシフトしたわけではありません。なのに、米国株に吊られる形でリスクオンになってしまっているのです。

先週は、このように米国株が小幅ながら最高値を更新する中で、先進国株式市場も売り込み難い展開となりました。ただ、欧州市場に関しては上値を追うほどの買い材料もないので、徐々に動きが鈍くなってきています。

こうした中で日本株は、週間で+0.78%と3週連続の上昇になりましたが、円の下落ピッチが止まりつつあるため、上値が重くなっていました。

日本株は基本的に円相場に連動しているという流れに変化はありません。その円相場は、この2週ほどヘリマネや20兆円経済対策といった「悪質ともいえる」噂で歴史的とも言える変動幅で下落しましたが、徐々にガセネタの化けの皮が剥がれて来ました。

先週の日本株は上昇したとはいえ、これまでの独歩の上げ方ではなくなってきました。

しかし、先々週の歴史的ともいえる暴騰の結果、これまで独歩で売り込まれていた3ヶ月パフォーマンスや1年パフォーマンスでキャッチアップをし始めています。

新味ある具体的な政策や事実は何一つ出なかったのに、ここまで上昇するマーケットは記憶にない位なので、Brexit後の激しい躁鬱病が日本株にも伝染しているとしか考えられません。世界的にショートスクイズが起きているので、世界の株式市場の中でダントツに売り込まれていた日本株は猛烈なカバーが入ったというだけでしょう。

ヘリマネや20兆円経済対策はそんなカバーのトリガーにしかすぎません。過度に売り込まれていたので、通常ならスルーされるようなレベルの噂が恐怖に変わったのです。

一方の新興国株式市場も、米国株発のリスクオンに釣られ反発が続いています。

商品市況は下落基調が続いていますし、トルコのクーデター騒動や元安などで新興国通貨も売りが入っているので、この戻りは実態から懸け離れたものです。

Next: 揺らぐFRBへの信認/現在の市場は「暴落前夜」の危険な状況

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