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買ってはいけない中国高速鉄道 安さが売りの車両が抱える爆弾とは?=冷泉彰彦

建設費の安さが決め手となり世界各国からの受注をものにした中国製の高速鉄道。しかし、その安全性を疑問視する声も上がっています。メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では、鉄道についても造詣が深い冷泉さんが、あらゆる角度から中国製新幹線の安全性を徹底的に検証しています。

プロフィール:冷泉彰彦(れいぜい あきひこ)
東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒業。福武書店(現、ベネッセ・コーポレーション)、ベルリッツ・インターナショナル社、米国ニュージャージー州立ラトガース大学講師を経て、現在はプリンストン日本語学校高等部主任。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。NHK-BS『cool japan』に「ご意見番」として出演中。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2016年7月26日号を一部抜粋・再構成したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に『今月すべて無料のお試し購読』をどうぞ。

「中国製」が抱える3つの爆弾。日本の新幹線との本質的な違いとは

中国高速鉄道の安全性は大丈夫か?

中国製の「高速鉄道」は中国国内でのネットワークを拡大しつつ、世界各国への輸出も始まっています。そもそもは日本と欧州から技術供与を受けて始まったプロジェクトであり、自前の技術として消化する時間もそれほどなかったことから心配な点もあるわけですが、では、技術的にはどんな点に注意して見ていったらいいのでしょうか?

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まず最も心配な点は、ATC(自動列車制御装置)のシステムと運用で、2011年に温州市で起きた衝突事故などは、こちらがキチンとしていなかったということの証明であるわけです。ただ、システムとその運用に関しては、中国の場合は厳格な秘密主義を取っているので、調査のしようがないということがあります。

また、温州市の事故を見てみると鉄道の運行管理の基礎である「閉塞(列車のいる区間には入ってはいけない)」という概念がキチンと理解されているか怪しい現状もあるわけです。そもそも事故原因の調査に関して全く不誠実な姿勢も見せていたわけであり、そうなると、高速鉄道というよりも社会のしくみ価値観行動様式といったレベルの問題があるとも言えます。

Next: 車両の安全性は担保されているのか?ハードウェアの問題を考える

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