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日中戦争の仕掛け人。日本会議以上に危険な「台湾ロビー」の正体=高島康司

日本の政界・マスコミは小泉政権下で「台湾ロビー」に占拠された

このように見ると、小泉政権で対中政策が大転換した理由もよく分かる。

簡単に言うと、これまでそれなりの勢力を保持していた「北京派」が政界からもマスコミからも一掃され、対中政策の立案は、台湾の完全な独立を目指す李登輝グループから資金提供された「台湾ロビー」に独占された状態になったからだ。この状況は民主党の菅政権の前原国土交通相でも同じであった。

「台湾ロビー」が主導するなか、尖閣諸島の「棚上げ合意」が破棄され、領土問題を中心にして鋭く敵対する状況が普通になった。

「フォーラム21」と「台湾ロビー」の深い関係

安倍政権の柱のひとつの「日本会議」が「台湾ロビー」の結集軸となっているのであれば、もう一方の柱である「フォーラム21」はどうなのだろうか?

以前の記事でも書いたように、「フォーラム21」は、日本を代表する大企業と、主要な省庁の40代から50代の将来を嘱望された中堅幹部が結集する研修機関である。いわば日本のエリート養成機関である。

【関連】我が国エリートが集う「梅下村塾」(フォーラム21)の影響力=高島康司

日本には隠れた統治機構として、在日米軍の幹部と主要な省庁の官僚が2カ月に1回日本の内政を協議する「日米合同委員会」の存在が知られているが、ここの官僚を研修しているのが「フォーラム21」である可能性は高い。「フォーラム21」とは、安倍政権が基盤にしている官僚層と経済界の結集軸である。

では「フォーラム21」と「台湾ロビー」はどのような関係にあるのだろうか?実は、関係どころか、「フォーラム21」そのものが「台湾ロビー」の強い影響下にあるようなのだ。

中国脅威論を高く評価、「フォーラム21」の台湾研修

2016年7月3日、台北市の晶華酒店で「フォーラム21」の28期生は、台湾研修の一環として李登輝の講演を行った。そのなかで李登輝は次のように述べ、現在の安倍政権の中国脅威論を高く評価した。

まず李登輝は、「長らく経済的にも政治的にも低迷を続けていた日本が、安倍晋三首相の再登板によりその復活に光が見えてきた」と安倍政権を高く評価し、「平成維新によって日本を再生させることができるのは安倍首相以外にないと全力で応援しているところです」と熱烈な支持を表明した。

さらに、「安倍首相は集団的自衛権の行使を認める決断をしました。これは戦後長らく続いた日本の不整容な状態を正し、再生していくための第一歩であり、決断した安倍首相には心から敬意を表したいと思います」とし、集団的自衛権の容認こそ日本の向かうべき道だとした。

そして次のように発言し、日本がアメリカとともに中国と対峙することを要請した。

Next: 「中国との対峙」を日本に求める李登輝グループ、真の目的とは?

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