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移民国家化する日本。「外国人労働者受け入れ」がもたらす悲惨な未来=三橋貴明

ドイツでは1950年代以降の高度成長期、西ドイツが超人手不足に陥り、労働力が必要になりました。当初は南欧(イタリア、ギリシャ、スペインなど)から労働者を呼び寄せたのですが、ご存じの通りトルコからの流入も始まります。

当初は、トルコ人男性が単身で来独し、簡易宿舎や寮に寝泊まりし、工場や建設現場で働きました。トルコ人労働者はゲストアルバイター(出稼ぎ労働者)と呼ばれ、1~2年間で入れ替わる「ローテーション制」であるとされていましたし、考えられていました。

ところが、外国人労働者を受け入れた企業側は、仕事を覚えた労働者を手放したくはありませんでした。さらに、外国人労働者側は、人間として当たり前の感覚として「家族」を呼び寄せようとします。

結果的に、外国人労働者はドイツに居残り、家族を呼び寄せ、集住化し、「国の中の国」が次々に作られていきます。第二次世界大戦後にドイツが受けれた外国移民の数は、5千万人を数え、現在は住民の8人に1人は外国生まれです。

ドイツは「経済界」の要望により、移民国家化したのです。

昨年、ドイツに流入した移民・難民の数は110万人。当初、ドイツの財界は移民について「優秀な(安い)労働者」ということで歓迎しました。「ドイツ経済は人手不足に苦しんでいる。優秀なシリア難民の流入は、ドイツの人手不足を解消する」といった、どこかで聞いたようなレトリックが使われていたのです。

とはいえ、現実には難民の雇用は遅々として進みません。15年秋にコンチネンタル(自動車部品大手)が難民を対象に、インターンシッププログラムに参加する50人を募集しました。ところが、1年経ったにも関わらず、募集枠は30人しか埋まりませんでした。

16年6月時点で給与を得られる職に就いている移民・難民は、前年同月比で2万5千人、増えただけでした。6月前の一年間で、ドイツに流入した移民・難民数は73万6千人です。

結局、移民・難民はドイツ財界が望む「安い賃金で働く優秀な労働者」にはならなかったのです。彼ら、彼女らの生活は、ドイツ国民の負担によって支えられることになります。

Next: ドイツの事例を無視して「外国人労働者受け入れ」を推進する日本

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