プーチン「怒りのスピーチ」
米ロの核戦争が現実味を帯びてきたのは、ロシア第二の都市、サンクトペテルブルクで6月16~17日の2日間にわたって開かれた国際経済フォーラムからです。プーチンが数ヵ国の報道機関の代表を招いて行ったスピーチで話したことが衝撃となっています。
その模様は、クレムリンの公式ホームページにアップロードされている動画によって確認することができます。
幸運にも、ここには、そのフル・スピーチが翻訳字幕付きでアップされています。
元の動画はコチラ。全世界で実に274万6千回も視聴されています。
プーチンは、集まった報道機関の代表者たちに、「私がこれから言うことを、あなた方が正確に報道するなどと期待してなどいない。しかし、私たちは大人である。大人としての対応を各人がすればいいことである」と、毎度、事実をゆがめて報道する西側メディアを牽制しながらも、率直に迫りつつある世界的危機について語りました。
おそらく、この10分間のプーチンのスピーチも、いつものように、西側メディアの多くは封印しようとするでしょう。
国境なきハザール・マフィアの国際金融資本と、彼らの世界支配のツールであるCIAにコントロールされた西側メディアによって洗脳されている西側世界のすべての人々が、このスピーチの中味を理解できるかどうかに、地球の運命がかかっています。
しかし、この動画の翻訳がところどころ間違っているため、予備知識や免疫のない人々には誤解を与えかねません。
以下は、スピーチの重要ポイントを抜き出して補足を加えながらも簡潔に要約した正確な内容となります。
この70年は、東西(米ソ)の核戦力が微妙なバランスを保つことによって第三次世界大戦は回避されてきました。
この二つの超核大国は、攻撃目的の戦略的核弾頭ミサイルの製造を停止しました。
理由は単純で、どちらか一方の軍事力が潜在的に支配的になったとき、核弾頭ミサイルの発射スイッチを押したくなるものだからです。
米ソ両国は、1972年5月に「戦略弾道ミサイルを迎撃するミサイル・システムの開発、配備を厳しく制限するABM条約」を締結しました。
本土から、あるいは、核弾頭ミサイルの搭載が可能な原子力潜水艦などから発射された核弾頭を搭載してミサイルを、迎撃ミサイルによって撃ち落とせば、両陣営の核抑止力が機能しなくなってしまうからです。
たとえると、同じ剣を持った同じ能力の戦士のどちらか一方が、決して突き破られない強固な盾を持って戦った場合、常識的には、その盾を持った戦士が戦いに勝利することになります。
その盾を制限することによって、互いに核による先制攻撃を思いとどまらせることこそが核抑止力になる、という考え方からABM条約が生まれたのです。
しかし、大陸間弾道ミサイルの製造停止は、世界的世論によって受け入れられたものの、戦争で利益を上げたいと画策している米・軍産複合体にとっては致命的なダメージとなったのです。
そこで、ブッシュ米大統領は、ABM条約から脱退する旨を露骨に表明して2002年6月13日に同条約から正式脱退したのです。
これによって、両核大国の軍事バランスは不透明になって、強い盾を持った一方が戦いに勝つことになってしまうのです。
そのため、ABM条約の正式脱退によって足枷を解かれた米・軍産複合体は、企業メディアを使いながら一方で(北朝鮮などを使いながら)核の脅威を実態以上に煽って弾道ミサイルの迎撃システムの市場を開拓していったのです。
私は(プーチンは)、ブッシュら、ネオコンの策動に気が付いていたので、ロシアは、核戦力を増大させることによって東西の核抑止力を取り戻そうとしたのです。
それは、事前に私(プーチン)から米側の支配者に通達されており、米支配者側も私(プーチン)の考えを受け入れたのです。
なぜなら、その当時、ロシアは経済的に疲弊しており、米支配者側も、ロシアが旧ソ連時代以上の核戦力を取り戻すことなど想像だにしなかったからです。
しかし、それは達成されたのです。
今では、ロシアの軍事力は、米国のそれ以上にハイテク化され、米国の戦力を凌駕するまでに巨大かつ強力になりました。
しかし、それは、今まで、約束を守らず世界に嘘ばかりついてきた米国の軍産複合体とネオコンに対する警戒心から、そうせざるを得なかったことであって、ロシアが米国に対して先制的に戦争を挑むつもりなど毛頭ない、ということだけは言明しておきたいと思います。
しかし、問題は、米国と米国の同盟国が配備しているミサイル迎撃システムの対ミサイルの種類です。
外形的にはトマホークなどの小型攻撃用ミサイルの形をしていても、小型の高性能核弾頭を搭載しているかどうかを知ることはできないからです。
それは、たった数時間で取り付け可能です。艦船の上での作業によって、急きょ、核弾頭ミサイルに造り替えることができるのです。
ワシントンのホワイトハウスにいる総司令官は、「非核から核へ」のたった一言で、すべてのことを済ませることができます。
また、私(プーチン)が米国側のパートナーと話をしたとき、米国は核弾頭抜きの弾道ミサイルを開発したいという意向を持っていることを知りました。
米国本土から、あるいは、原子力潜水艦が深く静かに潜航してロシアの領土に近づき、そこから弾道ミサイルを発射した場合、ロシアは、その瞬間、それが核弾頭を搭載した弾道ミサイルであると断定してしまうでしょう。
そのことによって、ロシアは自国防衛と、地球を核汚染でダメにしてしまう前に、それを止めるために大陸間弾道ミサイルを米国本土に向けて応酬するでしょう。
これは、ネオコンによる罠であって、運よく人類が生き残った場合、ロシアを核の狂人であると責め立てるためのプロパガンダに使うでしょう。
このプーチンのスピーチのテーブルについている西側メディアの報道機関の代表と言われている人々の表情を見てください。
彼らのうち、一人二人は気が付いたような表情をしていますが、大半の代表は、理解できないようです。
私たちは、こうした人々が毎日、送り出している捏造情報を鵜呑みにしながら、一歩一歩、第三次世界大戦に向かっているのです。