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香港の不動産バブル高騰

最近、香港の不動産バブル高騰に関する記事を頻繁に目にする。世界一住宅価格が高いと言われている香港の不動産価格の高騰は、主に中国人富裕層からの投資マネーにより形成されている状況だ。以前からメディアの報道で香港不動産バブル到来との指摘があり、またその後のバブル崩壊説も一時は囁かれていたこともある。香港政府の過熱抑制策も効果は薄く、この不動産価格高騰が止まる気配はない。

現在の不動産の状況について、香港ローカル紙スタンダードの記事から一部紹介したい。(http://www.thestandard.com.hk/section-news.php?id=183494

 

・2017年4月まで6カ月間連続で不動産価格は高値更新中。

・2008年金融危機以降、主に中国本土からの投資マネーの影響で137%以上の上昇。

・世界で最も高い不動産とも言われており、200sqf(18.6平米= 200sqf×0.093)程の小さな物件は約HK4,000,000(約5千8百万円)にもなると言われる。

 

香港居住用不動産の1スクウェアフィート(Sqf)当たりの価格推移(2011年~2017年)

2017年4月はHK19,250(約28万円)

香港の不動産バブル高騰

引用:サウスチャイナモーニングポスト(http://www.scmp.com/business/companies/article/2094991/hong-kong-tightens-mortgage-rules-second-time-week-property

 

不動産価格高騰の理由は、中国からの投資マネー、低金利、住宅の需給バランスによるものだ。香港政府による不動産の過熱抑制策(印紙税引上げ等)は機能していない。

 

中国の富裕層は何戸も現金で購入する傾向があるため、最近の住宅ローン金利上昇も大きな影響はないだろう。仮にローンを組むとしても現在の金利は2%~3%前後であり、2005年、2006年頃の5%台と比較すると購入者は、未だ低金利であるとの意識が強い。また、香港は土地が狭く(約1,104平方キロメートル:札幌市と同じ広さ)、毎年人口が増加しており、不動産の供給量が足りていない状況である。

香港と日本の不動産事情とを比較すると、日本の不動産は価格上昇率や金利状況を相対的に考えても割安に映るだろう。

 

香港の不動産価格高騰に伴い家賃の値上げもよく聞く話である。また商業用の店舗は、賃料の値上げに耐えきれず最近まで存在していた店舗が撤退、移転に追い込まれる状況も珍しい話ではない。

また現地香港人にとっても不動産購入が難しく、自分の住居購入にも手の届かない状況になりつつある。この数年は、更に数パーセントの上昇が見込めるとの見方もあり、香港政府による不動産価格抑制策の強化は今後も継続するのだろう。

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