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米国の手のひらで「平成のインパール作戦」へと突き進む黒田日銀の勝算=斎藤満

米欧の「尻拭い作戦」に駆り出される日銀

その「にぎり」とは恐らく、FRBに続いてECBが金融緩和の正常化に舵を切る際に予想される金融市場での副作用を、日銀に吸収させようとの意図と思われます。

つまり、FRB、ECBの引き締め転換を、日銀が尻拭いさせられることになるようです。米国の利上げは、事実上のドルペッグを維持する中国の金利上昇、引き締めにもなるわけで、一気に主要中銀が引き締めに転じれば金融市場への影響は甚大です。

通貨マフィアなどによる非公式会議のG30が、FRBに続いてECBにも金融政策の正常化を求めたようで、ドラギ総裁など、南欧系の幹部は戸惑っています。FRBの中にもこのまま利上げを進めることに異論も出ています。

そもそもインフレ率が目標の2%を下回り、経済に過熱感もないだけに、「引き締め」が必要な状況ではありません

言い換えれば、FRBにもECBにも引き締めで経済を冷やす意図は全くありません。むしろ、異常な金融緩和によって随所にゆがみが生じ、中銀の株主にも迷惑がかかるような状況を放置できなくなったとの判断です。

このため、金融緩和を修正する分、財政支援を高める「政策組み合わせ」へのシフトを打ち出し、併せて日銀に緩和を続けさせて穴埋めさせようということになりました。

敗戦国日本の「正常化」は後回し

従って、FRBもECBも引き締め効果は全く意図していないわけで、日銀まで協調して引き締め転換すれば、欧米経済も世界も大変なことになる、との思いがあり、あえて日銀の逆行性を認めたはずです。

BIS(国際決済銀行)によれば、昨年末の世界の総債務(政府と民間の合計)は159兆6000億ドル余りと、この10年で63%も増大しています。リーマン危機後の金融緩和が主因です。

そこへFRBが資産の圧縮開始を決めました。ECBも来年にはテーパリングが予想されます。中国人民銀もFRBに追随します。債務の増大が世界経済の成長を支えてきました。それをいっぺんに修正し転換すれば、世界市場は混乱し、世界の成長は減速します。

だからこそ日銀にはその分も緩和を続けさせよう、ということです。敗戦国日本の「正常化」は後回し、となります。

Next: 「ブレーキなき暴走」を止められない日銀は戦場で徒手空拳になる

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