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なぜ今、賢人バフェットはキャッシュポジションを増やしているのか?=東条雅彦

リーマンショックの直前はどうだったのか?

2008年9月15日、米国のリーマン・ブラザーズが経営破綻したことで、連鎖的に世界的な金融危機が発生しました。バフェットはリーマンショック前の2006年と2007年は、高い現金比率を維持していました。

<バランスシート 2007年12月末/2006年12月末>

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(単位:百万ドル)

※補足事項:当時のバランスシートには米国財務省短期証券を意味する「Short-term investments in U.S. Treasury Bills」の項目はありません。昔は米国財務省短期証券の金額を現金及び現金同等物(Cash and cash equivalents)に含めていました。米国財務省短期証券の金額を現金及び現金同等物の金額から独立させたのは2016年度のバランスシートからになります。

リーマンショック前の2006年12月末と2007年12月末の現金比率は、次のようになっています。

<2006年12月末の現金比率>

37,922 ÷ 248,437 = 15.3%

<2007年12月末の現金比率>

37,703 ÷ 273,160 = 13.8%

先程の2017年9月末の14.2%という現金比率は、リーマンショック直前の水準とほとんど同じになっていることがわかると思います。

リーマンショック直後は大勝負に出る

2007年10月のリーマンショック以降、バフェットは買い出動に向かって現金比率が低くなっています。こちらの2008年12月末と2009年12月末のバランスシートをご覧ください。

<バランスシート 2009年12月末/2008年12月末>

171121tojomasahiko_3
(単位:百万ドル)

次の通り、現金比率が急落しています。

<2008年12月末>

24,302 ÷ 267,399 = 9.0%

<2009年12月末>

27,917 ÷ 297,119 = 9.4%

バフェット自身は、別にマクロ経済の動きを予想して売買しているわけではありません。株価が上昇してくると、株式の安全域が小さくなるため、自然に購入を控えるようになります。現金比率の推移を追っていくと、バフェットがベンジャミン・グレアムの「安全域」の概念をとても重視していることが伺えます。

Next: バフェットが見据えるのは金融危機か?それともAI革命か?

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