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大人の事情と個人の思惑。ビットコイン相場で最後にババを掴むのは誰だ?=江守哲

ビットコインはファンダメンタルズが欠如?

しかし、その一方でビットコイン価格の急伸には懸念の声も聞かれます。過去3カ月で270%、過去2カ月で230%上昇したことを考慮すれば、そのような声が上がるのも当然です。

CBOEグローバル・マーケッツは、仮想通貨ビットコインの先物取引について、初日の出来高は4127枚だったと発表しました。20社が活発に取引を行ったといいます。

また、CMEグループも17日にビットコイン先物取引を開始しました。

ビットコイン先物は、規制対象となっていない米国外の仮想通貨取引所ではすでに取引されていますが、主要な米国の取引所で取引が開始されたことで、合法な仮想通貨であるとの認識が高まり、利用が拡大する可能性もあるでしょう。

しかし、ファンドマネジャーや機関投資家の間では、ビットコインはあまりに不安定であり、資産としての価値を持つにはファンダメンタルズが欠如しているとの見方が大勢です。

大手資産運用会社のロベコの最高投資責任者(CIO)のルカス・ダールダー氏は、「ボラティリティが高いことを踏まえると、ビットコインがマルチ・アセット・ポートフォリオに含まれる可能性はない」としています。しかし、これはあくまで「現時点では」という枕詞がつくでしょう。

将来は誰にもわかりません。もしかすると、主要な資産クラスになっているかもしれません。固定観念は極めて危険でしょう。

警戒を強める中銀関係者たち

一方で、ビットコイン価格の上昇率は年初からこれまでに1500%を超えています。13年初めにビットコインに1000ドル投資していた場合、現在の価値は約120万ドルになる計算になります。

このような上昇率を見ると、批判的な声が上がるのは当然です。特に中央銀行の関係者にそのような傾向が強く見られます。決済通貨としての立ち位置を奪われるのを懸念しているのでしょう。

ニュージーランド準備銀行(中央銀行)のスペンサー総裁代行は、「バブルが形成されているようにみえる」としています。

一方で、ECBのクーレ専任理事は、「仮想通貨ビットコインに投資する人々は資金をリスクにさらしている可能性があるが、より広範なマクロ経済上のリスクはない」との見方を示しています。クーレ専任理事は、「銀行のビットコインに対するエクスポージャーは低く、リスクは投機ファンドや投機目的でビットコインを買った個人に限定されている」と指摘しています。比較的穏当な立場であるといえます。

ECB理事会メンバーのノボトニー・オーストリア中央銀行総裁は、仮想通貨ビットコインについて、「資金洗浄に利用されるリスクがあることなどから、EUは規制対象とすることを検討する必要がある」との考えを示しています。

これらの背景には、バブル発生の懸念が高まる中、ビットコイン市場が急落した場合、中央銀行が規制対象としていなかったことについて責任を問われるとの懸念が背景にあるといえそうです。

ノボトニー総裁は記者会見で「規模を踏まえると、規制が必要かどうか、また必要な場合はどのような形の規制が必要になるのか、討議する必要性は当然増している」とし、「特に、資金洗浄をめぐる規制がどの程度適用されるべきか討議する必要がある」としています。

さらに「ビットコインの規制問題はECBではなく、むしろEUの懸案となる」としながらも、「小規模な金融機関でさえもが資金洗浄については厳格な規制の対象となっている中で、より規模が大きいビットコインが規制対象とならないことは理にかなわない」としています。

ただし、「伝統的な通貨と比べて仮想通貨の市場はまだ比較的小さいため、現在の金融システムに対する脅威となる問題ではない」との考えも示しています。

中銀としては、自分の庭を荒らしてほしくないという気持ちが強いのでしょう。しかし、民間ベースの仮想通貨市場はどんどん大きくなっていき、政府のような大きな組織がこの早い動きについていけない状況が続きそうです。

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