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日本は「1ドル105円」を覚悟すべきか? 黒田総裁に起きたある異変=藤井まり子

正反対の質問に同じ答弁

最近の黒田氏は、記者から難しい質問を受けると、「自信なさそうに早口の応答で誤魔化す」ことや、官僚みたいな「通り一遍の棒読みの応答」が多くなりました。

マーケット関係者がとても注目したのは、次の2つの答弁です。

1月23日の記者会見で日本人記者から受けた「なぜ2%インフレ目標なのか? 日本人には物価上昇を嫌う人が多いのだから、1%インフレ目標でよいのではないのか?」という質問に対する、黒田日銀総裁の応答。

また、ダボス会議でのフィナンシャル・タイムズの外人記者から受けた「日本はデフレが長かったのだから、4%インフレ目標を掲げたほうが良いのではないのか?」という質問に対する、黒田氏の応答です。

上記の質問に対しての答弁が、まるで「官僚」みたいに同じ内容で、しかも「中身のない、棒読み状態」だったことです。

正反対の質問に、同じ内容の答弁を棒読みする黒田日銀。黒田日銀総裁は「本質的な理屈が理解できていない?」、あるいは「やる気があるのか?レームダック化が始まっているのか?」ということで(そういう噂は以前からあったけど…)、多くのマーケット関係者はかなり衝撃を受けてしまいました。

ドル安・円高は黒田日銀への不信感からか

今現在進行形のドル安・円高は、「黒田日銀総裁への信任」の低下で起きているのではないでしょうか?

ただでさえ、日銀は、構造失業率(NAILU)の計算方法を誤魔化しています。さらに日銀は、採用するインフレターゲットを諸外国並みに「エネルギーと生鮮食料品を除く消費者物価指数」にしていません。ターゲットを「生鮮食料品は除くけど、エネルギーを含む消費者物価指数」に設定して、意図的に確信犯的に(?)「実際の物価目標水準」を低めに設定しています。

黒田日銀総裁は、「2014年の消費税増税が日本の景気に水を差して、2%インフレ目標達成の障害になった」事実も、いまだに認めていません。

かくして、「日銀の総裁がどうも理屈を理解していないようだ」ということで、一部の投機筋は、円買い日本株売りをしているのかもしれません。

Next: 注目の次期日銀総裁人事は「プロパーの人物」に白羽の矢が立つ?

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