老後の暮らしの基礎となる年金。しかし、年金は老齢年金だけではありません。『FPが易しく教える「暮らしに役立つお金の学校」開講』を配信する長谷剛史さんは老齢年金以外の公的年金も、いざという時のためにもしっかりとチェックしておくべきと語ります。
3種類の公的年金
公的年金からお金を受け取れるケースが3種類あると聞いたら、どのようなケースを思い浮かべますか?おそらく、老後に受け取る老齢年金を思い浮かべた方が多いのではないでしょうか?
実は公的年金にはこのケース以外でも年金を受け取れる場合が大きく分けて3つありますので、一緒に確認していきましょう。
「種類1老齢年金」
老齢年金は老後の生活費を支える大事な役割があり、原則65歳になると受け取ることができますが、年金保険料を支払っていない場合は老後になっても年金を受け取ることはできません。また、20歳~60歳まで国民年金保険料を支払った場合は年間780,100円(H27年)が給付され、納付が滞った期間はその期間に応じて受け取る年金が減額されます。老後が不安という方は多いですが、まずは受け取り年金額を「ねんきん定期便」等で把握するようにしましょう。
「種類2遺族年金」
一家の大黒柱が亡くなった場合、残された家族の経済的な苦労は計り知れませんので、このような場合は国から遺族年金が給付されます。残された家族が妻と子ども1人だった場合、遺族年金を年間1,004,600円(H27年)受け取ることができ、子どもが18歳になるまで給付されますので、1,004,600円×18年=約1,800万円になります。
赤ちゃんが生まれたら1,800万円の死亡保障に加入したのと同じ効果がありますので、遺族年金を考慮した上で生命保険に加入するかどうかを検討するようにしましょう。
「種類3障害年金」
例えば交通事故などで身体に障害が残った場合、日常生活や仕事に影響がでることが予想されます。このような場合、国から障害年金が給付されます。障害状態の程度によって受け取る年金額は違いますが、障害等級2級に該当し18歳未満の子どもが1人いると、年間1,004,600円(H27年)受け取ることができます。障害の程度によっては仕事を続けることが困難になることも十分考えられますので、頼りになる年金の1つと言えるのではないでしょうか?
上記3種類の年金に共通していますが、原則これらを受け取るには年金保険料の支払いが必要です。また、サラリーマンやOL、公務員の方等お勤めの方は、条件を満たすと厚生年金や共済年金から上乗せでそれぞれの年金を受け取ることができます。
メディアでは老齢年金のみにスポットをあて、自分自身が支払う年金保険料と受け取り予想年金額を比較していますが、他の2種類の遺族年金や障害年金の機能も考慮にいれる必要があるのではないでしょうか?老齢年金の受け取り額での損得だけにとらわれて、年金保険料を支払わないという安易な発想になるのだけは避けましょう。
『FPが易しく教える「暮らしに役立つお金の学校」開講』(2015年6月21日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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