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ビットコインはなぜ、ネズミ講と言われるか? 仮想通貨の「養分」になるな=矢口新

「新規参入者」の存在を前提に成り立っている

以下に、『野口悠紀雄の「ブロックチェーン」講義』を引用する。

第1は、「経済的な価値を送ること」。そして第2は、「信頼を確立すること」。この2つを、ブロックチェーンは可能にしたのです。

P2P内のすべてのコンピュータが「送金情報が正しい」と同意すると、その10分間の全世界の取引記録がブロックに記録されます。この作業が延々と行われ、10分間の取引が記録されたブロックが延々とつながっていくのです。

この作業にP2Pのすべてのコンピュータが挑戦し、最初に正しいナンスを見つけたコンピュータが「発見した」と宣言する。正しいことが確認されたら、このコンピュータが10分間の取引についての「責任者」となって、「これらの取引は正しい」というタイムスタンプを押す。そして、その報酬として一定のビットコインをもらう。この作業を「マイニング」といいます。そして、こうした作業が繰り返され、ブロックがつながっていくわけです。

ブロックチェーンは「悪いことが採算に合わない」仕組みなのです。「悪いことをするのは倫理的によくないからやらない」という性善説ではなく、悪いことをしたら損をするから誰もやらない。悪いことが経済的に不合理な仕組みだから、誰も書き換えない。こうして、誰がやっているかわからないにもかかわらず、信頼できる仕組みができた。この仕組みをプルーフ・オブ・ワーク(PoW)といいます。

ブロックチェーンの信頼性も、P2Pの過半数のコンピュータが結託してデータを書き換えた場合には保証できなくなります。これを「51%問題」といいます。そこで、結託できないように、十分に多いコンピュータが参加していることが望ましい。7千から1万という数は、十分に多いと考えられています。

つまり、こうした「マイニング」がブロックチェーンの維持に不可欠なのだが、1年ほどで電気代などのコストに負けてしまうのだ。このことは、常に新規にマイニングする人が出てくることが不可欠であることを意味する。

一方、手にした仮想通貨が値上がりすれば、収益が上がる。ところが、値上がりは誰かが買うことでしかもたらされない

これでわかるのは、マイニングからの収益も、マイニング以外からの収益も、常に新規参入者が継続的に存在することが前提となっている。

Next: 誰かが損をすることで仮想通貨は成り立っている

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