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FXの短期トレードで「ドテン売買」の正しい使いどころは? – 矢口新の『トレードセンス養成講座』

あなたの答えは、残念ながら 不正解 です

今回の解答

資金管理に関する問題

FXの短期トレードにおいて、保有ポジションを決済すると同時に逆のポジションを建てる、いわゆる「ドテン売買」の使いどころは?あなたがもっとも正しいと思う考え方を選んで下さい

正解は・・・
(1)思惑に反しテクニカル上の支持線を抜けたなどの理由で、保有ポジションを損切りしたと同時に、ガラっと方針転換して逆のポジションを建てるのが正しいドテン売買だ
相場の動きは、方向性を伴うトレンドと、単に上げたり下げたりする揺らぎとからなっています。年率で10%上げたなどというときには、トレンドが意味を持ちますが、大小の揺らぎはその何倍、何十倍にもなります。その揺らぎを取りに行くのがトレーディングですから、ポジションの転換には柔軟でいていいのです。

また、揺らぎの幅を見極めるのは非常に困難で、テクニカル的には、サポートされたら買い、抜けたら売りと柔軟に対応します。つまり、ショートでいてサポートされたなら、利食いのドテンでロングに入れ替え、ロングでいてサポートが抜けたら、損切りのドテンでショートに入れ替えていいのです。

したがって、正解は、(1)の「思惑に反しテクニカル上の支持線を抜けたなどの理由で、保有ポジションを損切りしたと同時に、ガラっと方針転換して逆のポジションを建てるのが正しいドテン売買だ」となります。

では、なぜ、(2)の「損切り後のドテンは『往復ビンタ』の恐れがあり危険。買いポジションを利益確定すると同時に売りにまわるような、往復の値幅を取りに行くのが正しいドテン売買だ」は駄目なのでしょうか。

まず、「損切り後のドテンは往復で損失を出す恐れがあり危険」とは言えないことです。リスクはポジションの量と流動性に応じて発生します。自分の損益とは別個のものです。売り買いの判断に損益を入れると、判断が歪むので、原則的には入れない方がいいのです。例外としては、相場の行き過ぎを暗示するσ2やσ3で、それを根拠に損切りを怠ると大変な目に合うことがありますが、利食いなら突き抜けたところで利益は残ります。

また、自分が利益確定したところが、相場の転換点であるとは限りません。中途半端に利食いをして、そこでポジションを入れ替えた後にも同じ方向に動き続けたなら、実現した利益以上の損失が出ることも多いのです。

私は、上げたり下げたりするボラティリティを縦の動きとして「縦糸」、方向性を伴うトレンドは時間に大きな影響を受けることから「横糸」と名付け、相場は縦糸と横糸とで編み上げる、タペストリーのようなものだと提唱しています。
※参照:タペストリー第2理論(Tapestry Theory #2)

相場は買えば上がり、売れば下がります。それによって価格は上下動を繰り返すわけですが、ほとんどの参加者がポジションを膨らませたり閉じたりしている傍らで、静かに売り切り買い切り、あるいはそれに準じた長期保有をしている人がいるからこそトレンドができるのです。
※参照:タペストリー第1理論(Tapestry Theory #1)

つまり、売り切り買い切りや長期保有を行う実需筋、あるいは長期投資家がいないと、市場はキャピタルゲイン狙いの、買ったものは必ず売り、売ったものは必ず買い戻す投機筋だけとなり、相場は上げ下げを行うだけで方向性を持ちません。

では、なぜ、投機筋は必ずそのポジションを閉じるのでしょうか?

投機筋が市場に参入する動機は、通貨や株式、商品といった、そのものに対する需要ではありません。外為銀行のディーラーや、証券会社の相対取引では、顧客に市場を提供するというサービスのために参入しています。また、キャピタルゲイン狙いのヘッジファンドや個人投資家は、ドルや円が必要なわけでも、特定の会社の株主になりたいわけでもありません。対象物件は何でもいいから、買ったものを売って、キャピタルゲインで儲けたいのです。

そして、時間効率的に最大の収益を狙おうとすれば、短時間で大きな値幅が一番です。つまり、大きな値幅があれば、多くの投機筋は利食ってくるのです。つくったポジションを閉じるのです。

また、基本的に投機筋は時間に制限のある資金を扱っています。例えば株の信用取引などの借入金には返済期限がありますし、あえて期限を設けていないものでも、その期間、金利がかかっています。また、金融機関のディーラーやヘッジファンドなどは、短期的な収益を期待されているので、適当な値幅で利食っておかないと、顧客が望んだ時期に収益を渡せないのです。

そして、キャピタルゲインを得るには、買ったものを売っても、売ったものを買い戻しても、その効果は同じです。株式の信用取引では、それでも売りから入るのを「空売り」と呼び、多少の注意を払う必要がありますが、FXや先物では、売り買いともに、基本的に同じ条件で行えます。

パラボリックというテクニカル指標があります。価格がSARと呼ばれる線の上にいる間はロングをつくり、下抜けるとショートにして、下にいる間はショートをキープし続けます。このSARというのは、Stop And Reverse のことで、ドテンしろという意味なのです。したがって、SARを上抜けると、今度はドテンしてロングにします。その場合に自分の損益は関係がありません

うまく行っていない時に、ドタバタとポジションを入れ替えていると、相場を見失ってしまうように思えますが、これはむしろ相場を見失っているからこそ、うまく行ってないのだと言えます。いずれにせよ、自分がうまく行っていない時には、ドテンや、買いからだけ、売りからだけに関わらず、金額を減らすなどの調整が必要です。

選択肢の(3)も見てみましょう。

「思い通りの値動きにならないからといって、コロコロと方針を転換するのは好ましくない。リスク管理の観点からも、ドテン売買はナンピンと同様の『禁じ手』だ」

ナンピンと違い、ドテンではポジションが増えませんので、リスクはそれまでと同じです。リスク管理の観点からは、まったくの別物です。

また、ナンピンは当初の相場観をいつまでも引き摺り、傷口をどんどん広げ、深めて行く行為です。一方のドテンでは、その都度、新たな判断を要求されます。たとえ、結果が同じように大きな損失につながったとしても、アプローチの仕方はまったく違います。

もっとも、ほとんどの人には、買いが得意、売りが得意といった、得手不得手があります。したがって、無理してドテンを繰り返すことはありませんが、トレーディングの選択肢にドテンを入れることで、あなたの相場の世界は大きく(2倍に?)広がることと思います。

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