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日本株の暴落リスクは外部要因に非ず。超緩和の長期化がもたらす2つの副作用=山崎和邦

副作用その2:設備投資計画の大幅な増加

日本株の修羅場は、実はNY株や上海株や為替相場よりも、日本国内の超緩和の副作用がもたらすことになるもかもしれない。

これについて言われていることは、一般的に以下である。

  1. 銀行収益が減少し、銀行の体力弱体化による金融仲介機能の低迷
  2. 年金・生保などの運用難
  3. 市場流動性の低下

ところが、もう1つある。

6月調査の日銀短観では、設備投資計画の大幅な増加が久しぶりに示された。大企業ベースで前年度比+13.6%という数値は実にバブル期ピークを超える

後で振り返ってみれば、「あの超低金利によってバブル期最盛時を超えた設備投資計画の大幅な増加があったのだ。あれは超低金利の副作用だったのではないかということになる恐れが大いにある。

今から副作用を計測するのは、相当な複雑さを伴う。銀行の体力弱体化は誰にも見えていることであるが、企業がバブル期ピークを超えるほどの設備投資行動を起こすというリスクはやはり副作用の1つであろう。

わかっていても為す術がない黒田日銀総裁

昨年11月に黒田総裁が「リバーサルレート」(低すぎて金融緩和効果を減じてしまう金利水準)について言及した。黒田総裁が自ら超緩和の副作用を直視したことになる。

大蔵官僚出身で外為の責任者も務めた黒田総裁である。すべては読めていると思う。読めていてどうしようもないところに彼の悲劇がある。

2013年に登場し、異次元緩和によって株価を上げて円安を導き、1円の介入もなしで着任当時の90円を125.8円までもっていき「黒田バズーカ」と言われた。あの時、黒田さんは「英雄」だった。

しかし筆者は当時、「英雄の末路憐れむべし」と書いた。ハンニバル、シーザー、ナポレオン、平維盛、織田信長ほか、英雄の末路は悲劇で終わる。すべてをわかっていながら、どうしようもない彼の立場には大いに同情はする。

日本株の修羅場は、実はNY株や上海株や為替相場よりも、日本国内の超緩和の副作用がもたらすことになるもかもしれない。

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※本記事は有料メルマガ『山崎和邦 週報 「投機の流儀 (罫線・資料付)」*相場を読み解く』2018年7月23日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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山崎和邦 週報「投機の流儀(罫線・資料付)」』(2018年7月23日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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