何のために安倍首相はロシア開催「東方経済フォーラム」に出かけたのか、大いに疑問である。対照的だったのは、初参加の中国・習近平とプーチンの蜜月ぶりだ。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)
※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2018年9月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
あらゆる分野で中露がタッグ?「対アメリカ」を合言葉に動き出す
プーチン大統領は安倍首相を見限った?
ぶっちゃけ、何のために安倍首相はウラジオストックで開催された「東方経済フォーラム」に出かけたのか、大いに疑問である。
今回で安倍首相はプーチン大統領と22回目の首脳会談を行ったことになる。
しかし、未解決の「北方領土問題」は棚上げになったままだ。
プーチン大統領は「領土問題は短期間では解決できない。まずは平和条約を結ぼうではないか」と安倍首相の足元を見透かしたような対応でお茶を濁しただけ。
日本とロシアで合意していた「北方四島での共同経済開発計画」にも新たな進展はなかった。「ロードマップの作成に合意した」というが、そんな話は2年前から出ていた旧聞の類。
要は、プーチン大統領は安倍首相を見限ったということであろう。
目を見張る「中国とロシアの蜜月」
対照的だったのは、初参加の中国の習近平国家主席との蜜月ぶりだった。
何しろ、プーチン大統領と習近平主席は二人揃ってキャビア入りのパンケーキを焼き上げるというパフォーマンスで世界を驚かせた。
それどころか、ロシアと中国の間では73もの合弁事業に関する協定が調印され、その額たるや1000億ドルを遥かに超える。
日ロ間で延々と協議を続ける野菜工場や魚介類の養殖プロジェクトなどとはまるで規模が違う。
プーチン大統領の提唱する「ユーラシア経済同盟」と、習近平主席の推進する「一帯一路計画」が合体したのである。
しかも、これまで両国が手を結んできた「上海協力機構」とASEAN(東南アジア諸国連合)をも一体化させる動きも進んでいる。
Next: 日本だけが置いてけぼり…。秘められた中・露の思惑とは?