前払いと後払いのいずれも可能なペイペイ
QRコードを使った決済サービスを行っているのは現在5社で、それにペイペイが加わるわけだが、それぞれの特徴を簡単に見ていくと次のようになる。
まず、支払い方法について整理したい。
LINEペイの場合、銀行口座からオートチャージとプリペイドカード、さらにクイックペイでの支払いとなるのですべて前払い。
楽天ペイは、クレジットカードが主なので後払い(ただし、VISAデビットも使える)。
ドコモのd払いは、携帯電話料金との合算払いとクレジットカードで後払い。
オリガミペイは、クレジットカードとデビットカードなので、後払いと即時払いとなる。
アマゾンペイは、クレジットカードだけなので後払いだ。
最後にペイペイだが、銀行口座からチャージしての支払いと、クレジットカード払いができるので、前払いと後払いができる。これが他社との違いで優位性のひとつだとペイペイは強調している。
コードの読み取り方式については、d払いとアマゾンペイの2つは先に説明したストアスキャン型。他はすべてユーザースキャン型とストアスキャン型の両方のタイプに対応する。
QRコードとクレジットカード、電子マネーが共存する?
QRコード(バーコード)決済と非接触ICカード決済とを比べると、決済スピードという点では「非接触ICカード」のほうが断然優れている。ただし、読み取り端末導入の初期費用が必要。もうひとつ、3.5%程度の加盟店手数料を支払わなければならない。
これに対して「QRコード決済」のほうは、ペイペイやLINEペイ(2018年8月から3年間)、アマゾンペイなど手数料が無料という強みがある一方で、アプリを起動する手間がかかるという弱点がある。QRコードが乱立するという恐れもあって、コードの規格を統一して使いやすくする、市場原理に任せて強いものに収斂されるのを待つ、など意見が分かれる。これをどうするかも今後の課題だ。
考えられるシナリオは、QRコード決済と非接触ICカード決済の2つがうまく棲み分けして共存していくだろうということだ。
クレジットカードを頂点にして、大手や中堅を含めた販売チェーンはクレジットカードと電子マネーが使える端末を設置してキャッシュレス化を進める。そうした店とは一線を画す形で、個人営業の立ち食いソバやラーメン店などの現金払いの店が、QRコード決済を取り入れていく。そうなれば、ユーザーは完全キャッシュレス化を満喫できるだろう。