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為替取引の7割が電子化・自動化済み。個人投資家はどう立ち向かうべきか?=今市太郎

いまや市場は電子化とAIアルゴによる自動化が進み、過去の経験則はまったくの無価値になってしまいました。私たち個人投資家が生き残る道はあるのでしょうか?(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2018年9月25日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

アルゴリズムの弱点を突く最善策はある?今こそ生存戦略を練る時

人間が追いつけない売買スピードに

国際決済銀行(BIS)が極めて興味深い内容を発表しています。それは、ここ10年で為替のスポット市場において、電子取引のシェアが格段に増えている。そして、実にそのシェアが70%に達しているというのです。

またアルゴリズムによるトレードもほぼ同じレベルで増加中とのこと。電子化と自動化により売買スピードは早くなる一方であり、人がのんびり裁量取引で参入できるレベルがますます減少していることが明らかになってきています。

たしかに個人的にFX取引をしてみても、ここ10年で相場の動きは驚くほど変化していることは身をもって感じることができます。

こうした状況に伴って世界的な規模で外国為替の取り引きをする銀行数は激減、足元ではほぼ6行あまりによる寡占市場へと変化しているというのです。

アルゴ台頭で、大玉売買を避けて分散化売買へ

インターバンク全盛の時代には、顧客からの注目を人が掌握していたことから、個人投資家には見えない様々な大玉の売買情報が飛び交う特別な場所となっていました。

しかし、電子化とアルゴリズムによる自動化の流れは、ディーラーが市場における資金の流れを掌握することを一層困難にしているようです。

プロからアマチュアまで、人が介在して把握できる相場動が大幅に減少していることが明確になりつつあります。

過去の為替ディーラー経験者の知見も役に立たない

この市場では、過去のディーラー経験者による為替の方向感に対するレポートや予測といったものが依然として幅を利かせています。

しかし、どうやら足元の相場状況を見ると、そんなものではまったく歯が立たない領域にいよいよ踏み込もうとしていることがわかります。

「こういう時、インターバンクディーラーならこんな風に相場を考える」という類の話も、ほとんどの売買がAI実装のアルゴによるものともなれば、人が行っていた経験というものはすでに御用納めになっている可能性が高いということになります。

こうなると我々個人投資家は、いったい何を礎にして売買を成功させていけばよいのか。今後もこの問題が非常に大きなものになってきそうです。

Next: それでもAIは金融市場を制覇できない? 個人はどう立ち向かうべきか

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