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為替取引の7割が電子化・自動化済み。個人投資家はどう立ち向かうべきか?=今市太郎

それでもAIは金融市場を制覇できない

AIを実装したアルゴリズムは、ひとたびトレンドがでればどんなに高値でもまったくお構いなしに買い上げるという、人間にはできない動きをして市場参加者を驚かせることになります。

株・為替ともに、AIは過去の相場から近似性の高いチャートを探してきて当てはめることで先行きを占うことが多くなっています。つまり、金融市場には人的な変動要因も多く働くことから、要因分析を行って相場の先行きを占うことはほとんどできていないのが実情になってきています。

したがって、ファンダメンタルズで人の気づきのほうが早い領域については、まだAIは金融市場で完全勝利できない部分が多く残されているといいます。

となると、こうした部分に人の裁量取引の一日の長があるのではないかとも思う次第です。

アルゴリズムの弱点を突くには?

こうなると為替市場で生き残るためには、我々も漫然とこれまでの手法を継続させてはいられない世の中になってきていることがわかります。

まず、テクニカルチャートには特に敏感になる必要があることは言うまでもありませんし、人為的な発想となるレベル感での逆張りトレードはもはやこの世界では禁じ手になってきているといえるでしょう。

また、細かいプライスアクションでAIやアルゴが入り込めない部分には、裁量取引の妙味がまだまだ残されているといえます。

もう1つ重要になってきているのは、市場に参加する誰しもが知っているようなヘッドアンドショルダーなどの典型的なパターンの場合の振る舞いです。

多くのアルゴリズムがなんの躊躇もなくセオリー通りにポジションを貼ってくることから、結果的に猛烈なショートカバーを引き起こすことになりますし、依然として一方向にポジションが傾きすぎると自律的に反落したり巻き戻したりという動きを繰り返していることがわかります。

Next: 結局は「スキャルピング」が最善策か。今こそ生存戦略を練る時

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