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「賃貸住宅に入居できない…」高齢者になってから人生が詰むとき=牧野寿和

高齢者の入居を断る「3つの理由」

入居を断る理由は主に3つあります。その理由は極めて単純明快ですので、順に見ていきましょう。

<1. 毎月滞りなく家賃を支払ってくれるだけの収入があるか>

特に入居者が終の棲家(ついのすみか)として、その賃貸住宅で生涯を終えたいと考えていた場合、何も高齢者だけに言えることではありませんが、多くの方が年金生活となるでしょう。ですから、毎月家賃がもらえるのか大家さんは心配になります。

<2. 頼れる親戚はいるか>

家族で入居をするのであればともかく、高齢の夫婦や特にひとりで入居をする場合、その方が病気や介護の必要な状態になったら、通常の生活も難しくなります。このような状態になったら、その方を引き取ってくれる身内の方はいるのかということです。

また、万一の場合に遺品を引き取ってもらえる方はいるのかということでもあります。

<3. 事故物件で家賃を下げたくない>

こちらも、特に高齢者の単身での入居を断る理由のひとつです。

入居者が部屋で何らかの理由で突然に亡くなったとしても、勤めている方であれば、早ければ当日にも、その賃貸の管理会社や身内の方に勤め先から無断欠勤をしていると連絡がいき、入居者の安否を確認することができるでしょう。

しかし、普段から人と接することが少ない方の場合、同じような状態になってもすぐには気付いてもらえない場合もあります。

近所の方がたまたま、最近姿を見かけなくなった方の新聞受けに新聞がたまっていることに気づき、さらにその部屋から異臭がするといった状況で部屋の中に入ってみると、既に亡くなっていたということもあります。このような住宅になった部屋は、その後の始末に時間も費用もかかるため、損害保険に加入している大家さんもいます。

しかし、なによりその後賃貸の募集をするにしても、そのような事故があったことを隠した状態で賃貸契約を結ぶことはできません。従って、以前より家賃は安くなります。また、それでも入居してくれる方がいればよいのですが、なかなかそういった物件は入居者が見つからないのが現状です。

大家さんにとってみれば、そのようなリスクを取ってまで、高齢者の方に入居してもらうことに二の足を踏むのが現状です。

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