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見えた日銀の方程式。「物価目標先送り×金融政策現状維持」の答え

楽観的すぎる?注意点ありの物価展望

それでは注目の物価展望を確認します。

<2015年度>
物価指数:0.1(前回 0.7)
GDP:1.2(前回 1.7)

<2016年度>
物価指数:1.4(前回 1.9)
※7月時点では1.9
GDP:1.4(前回 1.5)

<2017年度>
物価指数:1.8(前回 1.8)
GDP:0.3(前回 0.2)

2015年度は大きく下方修正。2016年度以降は、物価以外、概ね不変というのは声明どおり。ただし注意したいのはこちら。

海外経済については、先進国が堅調な成長を続けるとともに、その好影響が波及し新興国も減速した状態から脱していくとみられることから、緩やかに成長率を高めていくと予想している。

新興国の減速が脱していくという前提であるということ。原油安が継続するといっておきながら、この楽観的な見通しはどうかと思います。これまで新興国に頼ってきたのに、先進国頼みというのも根拠としてどうかと思います(全文の方では、中国の景気刺激策なども書いてありますので、よかったらチェックしてみてください)。

中心的な経済の見通しについては、海外経済の動向を中心に下振れリスクが大きい。

このように大きなリスクであることは認識しているようですので、本音としてはかなり心配しているのだと思います。それだけに、3度目の延期も十分想定できると思いますので、心づもりをしておきたいと思います。

全文の方では興味深い話なども出ていますが、今回はこの辺でやめておきます。(^_^;

日銀の追加緩和は当分ないと考える理由

次に黒田総裁の会見内容をチェックしたいところなのですが、まだ出ていませんので、次週にまわします。一応、報道内容を少しだけ見ておくと

日銀の黒田東彦総裁は30日の金融政策決定会合後の記者会見で、2%の物価目標達成時期を先延ばししたものの、追加緩和に踏み切らなかった理由として、原油安が主な理由で物価の基調は上昇しているためと説明。追加緩和せずとも「中央銀行としての信認は崩れない」と反論した。また「物価だけ上がればよいわけでない」と指摘、物価と賃金、経済全体がバランスよく上昇する状態を目指す姿勢を強調した。
出典:追加緩和せずとも中銀の信認崩れない=黒田日銀総裁 – ロイター

物価の展望を下方修正させて達成時期を後ずれさせたのに、追加緩和がなかったのですから、当然、その理由に厳しい注目が集まったはずです。

会見内容を全部みてから判断したいですが、原油安を要因とした物価目標の不達成については問題なく、追加緩和の要因にならないということが読み取れます。

やはりエネルギーを除くコアコア物価指数の基調が上昇していますから、それを重視しているということでしょう。

今後、年末に向けて、米国の利上げや海外情勢の下振れなどが考えられるので、なんとも言えないところはありますが、追加緩和は当分しないのだろうなと思えた今回の会合でした。

ずっともやもやしてハッキリしないところがあったのですが、なんだかスッキリしました。(^_^)

今後の投資判断に役立てようと思います。

【関連】しぼまない日銀緩和期待。政府補正予算との“合わせ技”が焦点に=久保田博幸

【関連】若林栄四氏「来年は1ドル=100円割れ」の可能性を考える

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毎月分配投信の本当のこと のりたマガジン』(2015年11月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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