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韓国国民も動揺。文在寅氏「日本と協力」発言の真意と、準備が進む危険な反日政策=勝又壽良

北朝鮮はおいしい投資先?

ここで、北朝鮮の概略をみておきます。

韓国国会予算局(NABO)は2015年の報告書で、韓国政府が人道支援を提供し平和的シナリオで26年に統一を果たすと仮定した試算があります。それによると、北朝鮮のGDPを韓国GDPの3分の2程度に押し上げるためのコストは、約2兆8000億ドル(約310兆円)に上ると見られました。19年の韓国予算の約7倍にもなるのです。北朝鮮には、大変な投資機会が存在するのです。

韓国にとって、北朝鮮は「宝の山」に映るでしょう。しかも、韓国で出生率(合計特殊出生率)が昨年、歴史上でもっとも低い「0.92人」という絶望的な事態に直面しました。一方、北朝鮮の出生率は「1.91人」(2016年)です。韓国のざっと2倍です。韓国の平均年齢は40.78歳(2015年)ですが、北朝鮮の平均年齢は34.04歳(2015年)と6歳余りも若いのです。この点も、韓国には魅力です。

総人口に占める65歳以上の比率は、韓国が13.91%(2017年)、北朝鮮9.49%(2017年)です。韓国は事実上の「高齢社会」です。北朝鮮は「高齢化社会」に入っています。この分類は、14%以上が「高齢社会」、7%以上が「高齢化社会」という分類基準によります。

人口構成面で見た南北の違いは、明らかに韓国の「老人化」が顕著です。北朝鮮は、韓国より6歳ほど「若い」点が有利と言えます。ただ、決定的に有利とも言えないでしょう。「6歳差」は兄弟で言えば、兄と弟の程度でいずれは「年寄りの仲間」です。韓国は、自国の高齢者扶養のほか、北朝鮮の高齢者扶養の面倒を見させられるリスクを抱えます。南北交流から南北統一へと進んだ場合、文政権が描くようなバラ色の世界ではありません。文氏は、ここまで計算しているはずはないでしょう。

米国の強襲に敗れた南北

文氏の基本戦略は、米朝首脳会談を成功させて、南北交流事業を大々的に進める。これによって、韓国経済の沈滞ムードを一掃するというものでしょう。

この過程で、同時に「反日」を根付かせ、国内の保守派を親日勢力と見なして葬り去る。次期大統領選では、与党候補の優位性を確立し、与党の長期政権を継続する思惑を持っていたはずです。

現実は、トランプ氏の「蛮勇」が土壇場で米朝首脳会談を決裂させ、北朝鮮を「全面的な核放棄」の檻に囲ってしまったと言えるでしょう。

正恩氏は、北朝鮮国民に向けて事前に「米朝合意説」の期待を高めさせてしまった手前、米国非難を言えなくなっているのです。正恩氏が、ショックの余り体調を崩して、北朝鮮へ「直帰」する心境も分るような気がするのです。

次回の米朝首脳会談について、双方が再開について約束していませんが、北朝鮮が「建設的な話し合いであった」と言っている以上、冷却期間を置いて再開されるでしょう。

ただし、今年の6月以降になると、米国は次期大統領選の動きが始ります。トランプ氏に交渉準備の時間は少なくなりますが、今回の「全面的な核放棄要求」は譲れないでしょう。ましてや、大統領選になって弱腰を見せたら対立候補に「軟弱外交」と非難されます。

こうなると、北朝鮮が妥協するしか道はありません。トランプ氏の「作戦勝ち」という側面も大きいのです。

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