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学資保険で「こんなはずじゃなかった」の悲鳴が続々、20年かけて返戻金1,000円の罠=俣野成敏

昔は優秀な商品だった学資保険

この2つの事例に共通しているのは、「こんなはずじゃなかった」、という声です。

もちろん、保険会社も騙していたわけではないでしょう。ただ、おそらく顧客の期待するものと、実際の商品との乖離がありすぎたのです。

通常、学資保険と言うと「学資保険=学費のために積み立てるお金」「積み立てれば当然、利子が付いて増える」という思い込みがあるのではないでしょうか。

そう思ってしまうのには理由があって、

  1. 保険会社の巧妙なマーケティング活動
  2. 高度成長期の経験則
  3. 受けてきた教育

……などが考えられます。順番に説明しましょう。

<1:保険会社の巧妙なマーケティング活動>

金融業界は、もともと規制が厳しいところです。中でも保険業界は、万一、潰れてしまうと社会を混乱させる要因になりかねないため、いろいろな制約が存在します。

そうしたことが足かせとなって、もとからサービスで工夫できる範囲が狭く、商品も価格も似たり寄ったりになりがちです。

そこで、各社は認知度を上げようと、大々的にコマーシャルを打ち、多くのセールスマンを投入して、販売を伸ばしてきました。つまり今、生き残っている保険会社は、どこもマーケティングが得意だ、ということです。

もともと学資保険とは、真面目で一生懸命な人ほど加入しやすい傾向が見られます。子どもの未来を思うからこそ、保険会社のマーケティング戦略にハマってしまうわけです。

<2:高度成長期の経験則>

高度成長期には郵便貯金ですら、5%から高い時には12%ほどの利子が付いていました。銀行の定期預金にも、高い利子が付いていた時代です。

こうした時代が数十年、続いたために、日本人は「貯金をしておけばお金が増える」という経験則を持ってしまったのです。

なぜ、当時はそんなに金利が高かったのかというと、それは日本国債の金利が高かったからです。国債の金利が高かったのは、経済が成長していたからです。

だから、経済の成長率がピークを過ぎてしまった今、金融商品の金利が軒並み低くなってしまったのも、やむを得ないものがあります。

<3:受けてきた教育>

ちょうど私たちは、高度成長期の成功体験に基づいて育てられてきた世代です。しかしここまでお話ししてきたように、今は過去の成功法則と現実との間に、大きな食い違いが発生しています。

人は、一度身につけた成功体験を、そう簡単には捨てられません。変えるには、時間がかかります。実際、人間の思い込みは、なかなか厄介なものです。

たとえば、先ほどの事例のAさんが加入していた学資保険は、主契約3,800円に、医療特約350円が付いた保険料4,160円を20年間、積み立てる、というものでした。よって、元金91万2,000円が増えて約100万1,000円となり、返戻率は110%になる、という契約になっていました。

ところが、AさんもBさんも「自分は子どもの学費を積み立てている」という強い先入観があったために、「学資保険に特約保険を付けている」という認識が、すっぽり抜け落ちていたのです。

Next: 実は学資保険の大半が元本割れ…。結局、学資保険に入ったほうがいいのか?

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