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2019年秋のGDP低下で…ドイツ銀行が抱えるリスク、デリバティブ契約は銀行平均の8.3倍=吉田繁治

まず4年前だった

ドイツ銀行の危機が最初にいわれたのは、2015年の7月から16年9月にかけて17ユーロ台から6ユーロ台に下がったときでした。
※参考:Investing.com ドイツ銀行

ドイツ銀行の株価は、リーマン危機の前の2007年にはおよそ100ユーロでした。

08年9月のリーマン危機のあとは、
・米国MBS(不動産ローンの回収権を担保とする証券)の下落と、
・CDSとCDO(債権の回収を補償する保険)の保険料の高騰と、保険金支払いリスクの上昇が、
・それらを売買していた欧州の銀行に波及し、ドイツ銀行の株価も20ユーロ(1/5)に下がっていたのです。

ECBによるユーロ増刷(4兆ユーロ:484兆円)という対策

米国大手銀行の実質的な同時破産(支払い不能からのデフォルト)の波及の危機は、加盟19か国の金融政策を実行している中央銀行(ECB)が、
・緊急の貸付、
・下がっていた南欧債の買い(金利は上昇)、
・ゼロ金利策の3セットを実行し、
ドイツ銀行の株には、再び投資家の買いが起こって30ユーロ台に回復していました。

16年9月には6ユーロ台に下がったのです。そのあとは例によって、再びECBからユーロ増発の救済策がとられ、17年3月には16ユーロ台に上がりました。

【19年7月の株価】

しかし19年7月には、再び6ユーロ台に下がっています。コメルツ銀行との合併策が、相手の拒否によって破談したためでもあります。

その後は、政府がお金を出した旧国鉄の清算事業団(不良債務30兆円)のように、「不良債権を切り離すバッド・バンク構想(600億ユーロの資金)」が出ています。

ただし、メルケル首相は、政府はドイツ銀行を救済しないと言ってきました。しかしいざとなれば、「大きすぎてつぶせない」という、リーマン危機のときの非論理を繰り返し、バッド・バンクにマネーを出す可能性はあるでしょう。可能性は70%でしょうか。

【20%の雇用カット】

ドイツ銀行は、全職員の20%にあたる1万8,000人の解雇を発表しています(19年7月7日)。世界の大手銀行は、普通、顧客からの信用を維持するため、経営危機を示すことになる社員の大量解雇は行いません。

預金取り付けの恐れがあるので、銀行危機は言われない

債務超過(不良債権の金額が、自己資本を上回ること)の危機があるという市場の認識が広がると、預金取り付け(預金の一斉非引き出し)になる可能性が生じるからです。

大衆の預金取り付け、または多くの大口預金者の預金引き出し(送金)があると、銀行は、自己資本がいくらあっても短期間で潰れるからです。

Next: ドイツ銀行が破産したら、ペイオフの金額は?

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