【先物】
先物は、債券、株、通貨などの先物を売買するものです。ボラティリティ(確率的な変動率=標準偏差の2倍)が上がり、
期待金利が上がると、先物の時価価値は上がります。逆なら下がります。
【スワップ】
スワップは、外貨や金利の、その時点の相場での等価交換(売買)の契約です。金利では、変動する短期金利と、固定金利の交換が行われます。
A銀行がもつ短期金利がたとえば0.8%、B銀行がもつ固定金利が3%のとき、交換したとします。A銀行は、3%の固定金利を受け取る(または支払う)ことになるので金利が高くなった代わりに、金利の変動リスクはなくなります。
一方で、B銀行は3%の固定金利の代わりに、A銀行がもっていた0.8%の変動金利を受け取る(または支払う)ことになります。直近の金利が下がった代わりに短期金利の、変動リスクをかかえることになるのでです。
金融機関の間のデリバティブ契約の中で、金利スワップが$326兆(3京5,860兆円)ともっとも多い。その時価価値は、いまは$5.6兆(616兆円)とされています。この時価価値は、中央銀行が金利を上げるとる上がり、金利を下げると下がります。
金融機関の中に、スワップ契約で損をするところと得をするところが等分に出ます。金利スワップの契約が、何重にもかかっていて、世界の金融資産額以上に大きくなっているので、中央銀行の金利政策が金融機関の利益を大きく左右しているのです。
この金利スワップは、従来の銀行間のコールローンに代わる機能も果たしています。
通貨交換(通貨スワップ)も、金利交換とおなじ仕組みです。通貨変動もこれにより、金融機関の収益を大きく左右しています。
ファイナンスの用語では、通貨の将来変化を確率的なリスクとしますが、通貨交換の増加により($24兆:2,640兆円)、通貨変動のリスクが金融機関の間で大きくなってます。
三菱UFJグループの、円での資金量の10倍もの通貨交換額があるからです。この通貨交換の増加により、どの国の銀行も海外通貨の変動リスクを浴びやすくなったのです。
世界の銀行が通信回線(お金の瞬間輸送路)で結ばれているので、銀行の立地する国は、あまり関係がなくなったと言ってもいい。世界同時に、ドルリスク、ユーロリスクに晒されています。
【オプション】
オプションの仕組みは、先物と似ていますが、将来の一定期間に、決めた金額で、通貨、金利、株、国債、社債などの債券を買う契約、または売る契約です。
予想がはずれると損をしますが、予想が当たると利益になるギャンブルと同じです。
【予想を戦わせるギャンブル】
デリバティブである先物、スワップ、オプションの契約の増加により、銀行のファイナンス(金融)は、
・クラシックな、貸付金利で稼ぐものから、
・将来予想を買い手・売り手が戦わせる、エキゾチック金融のギャンブルと同じになってきたのです。
金利、株価、外貨は、価格の傾向は持ちますが、短期では、上下にランダムウォークするので、次のサイコロの目が1と出るか、2と出るかという勝負と同じになります。
明日の株価がいくらになるか、世界中の誰も「原因→結果」の根拠をもった予想はできないからです。当たっても、サイコロの目と同じ偶然のものです。
昨年、日経平均の過去20年5,000日の終値を集計すると、上がった日と下がった日は、きれいに50:50になっていました。ルーレットの白/黒や、奇数/偶数の丁半博打と同じです。
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