デリバティブ=債権の回収や将来収入に対する保険
危ない債権に対してはCDSやCDOとして、地震保険と同じ機能をもつデリバティブがかかっていてます。このため、借り手が返せない額に増えている銀行債権が、正常とみなされています。
地震が起こらないときは、保険料が収入(利益)になるCDSやCDOの販売がもっとも多いのが、ドイツ銀行です。CDSやCDOをかけた債権に不良債権が増えるとドイツ銀行は、破産保険金の支払いができず破産します。
衣料の売り上げに所得保険がかかっている「天候デリバティブ」も、同じ仕組みです。数%の保険料を払って天候デリバティブを買っていれば、異常気象が原因になって衣料の売上が減ったとき、その減少分を補償されます。保険料は、異常気象が起こる確率で決まります。
地震保険でも広範囲の大地震が起こると、支払いができず、保険会社は破産します。このため、政府の再保険がかかっているのです。
BISが集計した、世界のデリバティブの総体
中央銀行の上の中銀行とされているBIS(国際決済銀行:スイス:バーゼル)が集計したデリバティブを、内容別に示します。
デリバティブは、金融機関の間の店頭の密室(Over The Counter)という意味で、契約されるものです。バランスシートには出ず、簿外の債権・債務です。
相互契約額 現在の時価価値
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・通貨関連 $ 90兆(9900兆円) $2.3兆(253兆円)
・金利関連 $436兆(4京7960兆円) $6.4兆(704兆円)
・株式関連 $6.4兆(704兆円) $0.6兆(66兆円)
・コモディティ $1.8兆(198兆円) $0.22兆(24兆円)
・CDS/CDO $8.3兆(913兆円) $0.19兆(21兆円)
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合計 $544兆(5京9840兆円) $9.6兆(1056兆円)
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出典:BIS
通貨、金利、株式のそれぞれに、先物、スワップ(交換)、買う権利・売る権利のオプション、その他の4種があります。
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