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中国、経済崩壊寸前へ。銀行が抱える不良債権がGDPの10%にまで拡大=勝又壽良

なぜ中国の銀行は中小企業に融資できない?

中国の銀行が、中小企業融資に二の足を踏んでいる理由として、次の3つが上げられています。

  1. 経済の先行き不透明感
  2. 米中貿易摩擦
  3. 当局が進めてきた金融システムのリスク圧縮の取り組みへの対応

それぞれにコメントをつけます。

1)経済の先行き不透明感:バブル経済崩壊という事態の中で、過剰債務が重圧となっています。6月の生産者物価指数(PPI)上昇率が、前年比ゼロ%(横ばい)では、損益分岐点の上昇から経営は赤字でしょう。これでは債務の返済が不可能です。

2)米中貿易摩擦:中国の最大の輸出先である米国との衝突です。高関税で競争力を失った中国企業は輸出を諦めるか。また、ベトナムなど近隣国へ移転して高関税の壁を乗り越えるかです。銀行にとっては、競争力がなくて他国進出を諦める先には融資できません。

3)当局が進めてきた金融システムのリスク圧縮の取り組みへの対応:当局は、影の銀行融資が、放漫融資の原点という捉え方で、昨年春頃から取締を厳しくしてきました。銀行は、高い利ざやが稼げることから、影の銀行への融資を増やしてきました。それだけに、当局の取締は打撃となり融資全体を絞りました。

以上の3点に示されているように、中国の金融システムは相当なダメージを受けています。

146兆円の無価値資産

世界最大級の金融グループで、スイスに本拠を置くUBSグループのアナリスト、ジェーソン・ベッドフォード氏は、250行近い中国の銀行が公表する財務諸表を細かく読み込んだ結果、次のような驚くべき事実が浮かび上がったと報じました。

中国の銀行が計2兆4000億元(約38兆円)相当の資本不足に陥る可能性があると分析。同氏の試算によると、より幅広い国内銀の「ディストレス」資産は9兆2000億元(約146兆円)と、市中銀行システムの約4%、GDPの10%近くに上る。

出典:中国の銀行、38兆円の資本不足-中小銀に警鐘のUBSアナリスト – Bloomberg(2019年7月31日配信)

この試算結果を発表したジェーソン・ベッドフォード氏は、包商銀や錦州銀の倒産問題が市場に広く認識されるかなり前から警鐘を鳴らしていたエコノミストとして著名です。この深く掘り下げたリポートは、「中国の銀行システムが、どこに向かっているのかを知る手掛かりとして、世界の投資家にとって必読」とブルームバーグは報じています。

「ディストレス」資産とは、経営が行き詰まった企業の資産で、銀行が担保で抑えているものです。それが、中国GDPの10%、市中銀行システムの4%にも達するとは驚くほかありません。

ベッドフォード氏は、この分野のスペシャリストだけに、固唾を飲む思いがするのです。ここまで、不動産バブルを放置した習近平の統治責任は重大です。

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2019年7月配信分
  • 中国の深まる内部闘争 米国との合意遅れるほどデフレは深刻化(7/18)
  • 韓国、景気悪化の中で日本と対立負担、最後は米国仲裁で徴用工問題解決へ(7/15)
  • 深まる金融危機の中国 保守派が実権握って米国との妥協拒み債務拡大(7/11)
  • 日本の「技術属国」韓国、自力更生目指すも挫折、基礎技術不足が致命傷(7/8)
  • 日本の半導体材料輸出規制で大恐慌の韓国、WTO提訴と息巻くが無駄、徴用工問題で妥協?(7/4)
  • 景気悪化の中国、貿易戦争決着を延ばすほど金融危機深まる(7/1)

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image by:Gil Corzo / Shutterstock.com

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勝又壽良の経済時評』(2019年8月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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勝又壽良の経済時評

[月額864円(税込)/月 毎週木曜日(年末年始を除く)予定]
経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。

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