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韓国・文政権「反日続けば選挙で勝てる」は大誤算、止められない経済崩壊で大敗へ=勝又壽良

韓国経済は取り返しのつかない衰退局面へ

もう1つ。韓国経済は、文在寅政権の登場によって、もはや取り返しのつかない衰退局面へ舵を切ってしまいました。潜在成長率の減速が目立つためです。

文政権の最大の失策は、最低賃金を18~19年で29%も引き上げ、これが雇用構造を破壊しました。末端経済は、これまで自営業によって支えられてきましたが、2年間で約3割にも達する賃上げに耐えられるような自営業はそう多く存在しません。

自営業者は、相次いで廃業に追い込まれています。廃業で不要になった厨房用品、店舗の備品などの売却希望が廃物処理業者に殺到しています。過去、生産性上昇に見合った最低賃金引き上げで、こじんまりとした経営の可能な自営業に、「文旋風」が吹き荒れているのです。

この最賃大幅引き上げは、大企業労組の賃金を引き上げていることがわかりました。最賃と大企業賃金は一見、無関係のように見えますが、そうではなかったのです。

大企業労組の支援を受けている文政権は、この支援見返りに最賃の大幅引き上げを行っていたことを窺わせています。一種の利益供与にあたるでしょう。

その蔭で多数の自営業が店を畳み、従業員を解雇したのです。

事実、文政権が経済成長を阻害している

文政権登場が、韓国の潜在成長率にいかなる影響を与えているかを見ておきます。

潜在成長率とは、その国の労働と資本を最大に活用して達成できる成長率を指します。具体的には、次の3つの要素によって構成されます。

  1. 就業者数(労働投入)
  2. 設備・建設投資(資本投入)
  3. 技術革新・制度・法(総要素生産性)

これらの3項目を1つずつ見ていきますと、確かに韓国経済は厳しい局面にあることがわかります。項目別に、私のコメントをつけます。

1)労働投入では、総人口に占める生産年齢人口(15~64歳)比率が、2013年にピークを迎え、その後は「人口オーナス(重荷)期」に入っています。こういう人口動態の変化に加え、最賃大幅引き上げによって、製造業の就業者が減っています。製造業での就業者減は、付加価値が下がるという構造的な悪化を招くので、最悪の政策と言うほかありません。

2)資本投入は、企業が世界最強と言われる労組の賃上げ闘争を回避すべく、国内投資よりも海外投資を選択していることです。自動車産業では、戦闘的な労組を相手にする時間の無駄を省くため、海外に工場を建設して国内を避けています。繊維産業では、最賃の大幅引き上げが賃金コスト増を招くとして、海外移転を完了しました。

3)総要素生産性上昇は、労組の非協力と文政権の規制強化によって阻まれています。「週労働時間52時間制」は、理想であっても移行への時間が必要です。そういう準備が不十分なままにこの制度を取り入れて混乱を増幅しています。要するに、文政権という「親労組」の政治勢力の拡大が、韓国経済の根幹を食い荒らしていることが浮き彫りになっているのです。

以上、潜在成長率に影響を与える3項目について見てきました。この結果、韓国の潜在成長率はどのような状況になるのでしょうか。

Next: 経済骨格破壊の文政権、2%割れ成長で危機へ

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