【投資に踏み切れない理由その2:景気が悪いから投資できない】
もともと景気が良いか悪いか、というのは、1人の人間に操作できることではありません。
したがって、私たちにできるのは、景気が良くなっても悪くなってもいいような投資の仕方をすることです。
それができれば、景気の上下はもう、怖くはなくなるでしょう。
たとえば、現在35歳の方が、65歳の定年まで積み立て投資を行おうと考えたとすると、30年の時間が生まれます。金融危機はだいたい10年に1度は起こると言われていますから、30年だと3回は起こる計算になります。特に今は世界がつながっていますから、地球の裏側で起きた金融危機が波及することも、十分考えられます。
危機が起きれば、当然のこととして株価が下がり、為替にも影響を与えます。
ここで世の中は「資産が目減りした」「打撃を受けた」と大騒ぎになりますが、売らなければ損は確定しません。
危機は、時間軸を長く取ることで、やがて市場が回復し、たいていはビフォーを上回ります。
要するに、終始、流行りには乗らずに、セオリーに基づいて選んだ銘柄をコツコツと購入してきた人にとって、危機とはむしろ“株のバーゲンセール”も同然なのです。
<投資をする上で大事な3つのこと>
投資をする上で大事なのは、
1. 投資を行える期間
2. いくら欲しいのか?
3. そのために、どれくらいのリスクを取れるのか?
…の3つです。
(1)で「長期投資をしよう」と決めて、実際に商品にお金を投じるだけでは十分とは言えません。大事なのは、そのための準備ができているかどうかです。
準備とは、当座の生活資金を確保した上で、「この金額であれば、長期間続けても問題ない」という金額を算出しておくこと。でなければ、急に予想外のお金が入り用となった時に、結局、投資を解約せざるを得なくなってしまいます。
投資をする際は、ただ単に期間を決めるだけではなく、それを維持できるだけの環境を整えておく必要があります。
(2)と(3)は関連していますが、いくら欲しいのかによって、取るべきリスクの大きさも変わってきます。
通常、リスクとリターンは釣り合っていますので、大きなリターンが欲しいとなれば、その分、リスクも高くなります。「このお金はなくなっては困る」という資金を、リスクの高い商品に投じてはいけないことは言うまでもありません。
気をつけたいのは、リターンだけに目を向けること。実際は、リスクとリターンは常に表裏一体です。つまり、リスクは景気とは別に、常に存在しています。リスクがゼロの投資は、基本的にありません。
どのような時代にも、その時代に応じたチャンスがあります。けれども、そのチャンスをモノにできる人とは、リスクを受け入れ、許容できる人です。
投資商品に内在しているリスクとリターンを十分理解した上で、「それでもこのリスクを取るのが得策か?」という自問自答を忘れないでいただきたいと思います。