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好材料に敏感な世界的な金余りのなか、高利回りの先進国債やREITもついにピークか?=街

先週の市場ではヤフーとLINEの統合発表が話題に。LINEはストップ高、ZHDも約17%高となる一方で、ZOZOは寄付きが高かったものの、その後は続落しました。(『億の近道』街のコンサルタント)

プロフィール:街のコンサルタント
20数年間を金融(主に証券)会社で過ごし、投資銀行業務や事業育成の業務を担当。「金融機関に籍を置く(安全な)立場で客観的なことを言うより、いっそのこと経営者と同じ立場で事業拡大のお手伝いを出来ないものか」と思い立ち、2005年春に証券会社をリタイアしてコンサルティング会社を設立。

世界で金余りも、いよいよ投資先がない状態なのか

これからは中小が乱立しているIT系企業のM&Aも話題性が高まりそう

先週はヤフーとLINEの統合発表によりLINEはストップ高、ZHDも約17%高となる一方で、TOBが済んだZOZOは寄付きこそ高かったものの、その後は続落しました。

個人的には8,000億円もの価格でZOZOを買うだけでなぜに株価が上がるのか?不思議でしたが、流石にLINEとの統合は話題性があります。

が…、株価の方は正直なもので、SBGへの傘下入りで将来性を感じられる会社は株価が維持され、話題性で短期資金が入った銘柄や、オンライン衣料品会社は売られています。

これからは中小が乱立しているIT系企業のM&Aも話題性が高まりそうです。

注意点は、材料性の高いニュースが出れば一気に買われ、下方修正などが出れば直後から反射的な売りに見舞われることです。

例えば、直前まで数日間連騰していたMTG<7806>などは、悪材料が出た途端にわずか5営業日で36%も下落しました。そもそも売上高500億円の運動補助機器販売会社の株価が、上場時の時価総額で何故に2,800億円にもなるのか不思議でしたが、今や300億円程です。粉飾もあったようで止むを得ませんが、上場後のわずか1年4か月で1/10ですから言葉になりません。

何と申しますか、上場させた証券会社による将来見通し(予測)に疑問はありますし、短期資金しか動いていない、激しい相場です。

昨年11月に「銀行の行方」と題するコラムで地方金融の厳しさを書きましたが、利益を出せない赤字行が年を追って増えてきています。健全性が最も危ぶまれていた島根銀行はSBIグループ傘下に入るなど、従来とは違う動きも出てきました。

最近では(そこそこでも)利回りが取れるREITが活況です。

財政面で懸念が続くギリシャ国債ですら1%台前半まで買い尽くしてしまい、円建てではREITや配当利回りの高い株式がターゲットになっています。

いよいよ投資する先が無くなりつつあります。

80年代後半のバブルの頃から生保や地銀など(素人機関投資家、失礼w)が買い始めると、それら資産はピークを迎えると言われていましたが、これら先進国債券やREIT、高配当株式が近いうちにピークを迎えるのか?迎えたのか?

半年前のメルマガで「ナスダックの主要銘柄はピークを付けたか?」と株価を懸念する印象を書いたものの、アップルやアルファベットは依然として高値を更新中です。少しでも良い材料に反応するほど世界的な金余り…ということなのでしょうか。

日本株は出遅れと言われていますが、ある程度以上の規模を持ち、利益成長性が高くない内需銘柄でもPER40倍、50倍が常態化しており、株式投資の基準が変わってしまったかのようです。

もちろん、買収して解散するだけで株主リターンがプラスになるような万年割安銘柄もありますが、私のような古い投資経験者には「理解し辛く、難しい」市場になりつつあります

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image by : pathdoc / Shutterstock.com

億の近道』(2019年11月21日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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