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米国が中国に敗北宣言?米国防総省の報告書が明らかにした「5G戦争」の結末=高島康司

ガラパゴス化するアメリカと安全保障の脅威

これを見ると分かるように、韓国も日本も「mmWave」と「sub-6」の二股をかけ、どちらにでも対応可能な状態を目指している。

EUや中国の「一帯一路」の国々、また中国の進出が加速しているアフリカなどは、中国の「sub-6」と「ファーウェイ」の設備や機器が制することになるだろう。

カバーするエリアが非常に狭い「mmWave」に固執するアメリカは、こうした世界の潮流から孤立し、ガラパゴス化することだろう。

国防総省の報告書は、この状況を国家の安全保障に対する大きな脅威であると見ている。

もし中国の「sub-6」が5Gのグローバルスタンダードになると、「sub-6」の通信機器の価格は低下する。そうした機器の製造では、「ファーウェイ」をはじめとした中国メーカが中核になることは間違いない。アメリカでは「mmWave」でガラパゴス化しているので、「sub-6」の機器の製造は拡大しない可能性が高い。

そしてこの報告書が指摘している重要な事実は、アメリカの軍事通信ネットワークが「sub-6」であるという点だ。「ファーウェイ」をはじめとした中国のメーカが「sub-6」の機器の製造で世界をリードする状況では、アメリカ軍はその高度な軍事通信ネットワークを維持するためには、中国のサプライチェーンに依存しなければならないことになる。

アメリカ軍の心臓ともいえる5Gの通信システムが、中国企業に依存し、握られるのだ。この報告書は、これを安全保障上の最大の脅威のひとつになるとしている。

中国をブロックする提案

しかし、この報告書では、アメリカはどれほど中国に圧力をかけ、中国の発展を抑止しようとしても、アメリカは不利な点が多い「mmWave」の使用を各国に説得するのは困難なので、中国が5Gで世界をリードすることは止められないとしている。

だが、それでも国家の安全保障上の脅威に対処する必要から、中国には最大限の圧力をかけるべきだとして、以下のように提案している。

「国防総省は中国の通信システム技術の発展を遅らせるために、「知的財産権」の保護を攻撃的に主張しなければならない。また、中国が最終的に完全に自立することになったとしても、欧米企業の市場損失のペースを遅らせるために、輸出規制を導入しなければならない」

報告書はこのように主張し、中国のテクノロジーの世界的拡大を抑止するための輸出規制の導入を提案している。

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