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迫る韓国総選挙。文政権の「人気取り政策」空回りで与党劣勢、外交危機で国家滅亡か=勝又壽良

粗雑な進歩派政権20年構想

文政権は前記のように、長期政権構想のレールを敷いている。具体的には、次の3点がポイントである。

(1)検察組織を変革して捜査権力を縮小させた。これで、検察のキバを抜いておけば、政府高官が捜査される懸念がなくなること
(2)最低賃金の大幅引上げで、大企業労組を味方につけたこと
(3)原発を廃止して、市民団体に太陽光発電の補助金を蒔くシステムができたこと

与党は、この3つの武器を持てば、総選挙も大統領選挙も「連戦連勝」と続けられると想定したに違いない。

政治的な安定を背景に、北朝鮮との統一を進めて「一国二制度」を構想している。これにより、朝鮮半島の平和的統一を実現する。そうなれば、米軍は韓国から撤退する。当然、米韓軍事同盟は解消する。これで、朝鮮半島は朝鮮民族が「主人」となるという夢である。

朝鮮は、日韓併合された1910年以前に戻る、のだ。

文在寅大統領の描く夢は、北朝鮮も中国もすべて「善意」で行動するという大前提に立っている。これを信じているとすれば、文氏は希代の「坊ちゃん政治家」として名を残すだろう。

北朝鮮も中国も、そんな生易しい相手でないのだ。隙があれば、相手の懐に手を突っ込んでくる強者である。そうでなければ、専制政治を続けるはずがない。人間としての良心があれば「民意尊重」という、まさに文氏がお題目にしている政治理念を実行しているはずだ。

そういう矛楯を考えないとすれば、文氏は政治家落第である。

昨年12月23~24日、中国の北京と成都で日中韓3カ国首脳による一連の会談が行われた。その際、文大統領は習近平国家主席と会談して、注目すべき発言をしている。習氏が米国を批判しつつ、韓国を「戦略的協力パートナー」と呼んだのに対し、文氏は「韓中は共同運命体という考えを改めて感じることになる」旨述べたと報じられた。この「韓中共同体」発言は、単なるリップサービスではない。将来の韓国と中国は、そういう同盟関係になりたいという潜在意識が言わせたに違いない。

Next: 文在寅氏は外交的に盲目?中国との同盟を目指してはいるが…

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