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年金支給額0.2%増に騙されるな。実態は今後35年で27%減、30〜40代が最も割を食う=栫井駿介

目的は財政状態の改善

実質的な年金を減らした先の目的は、財政状態の改善です。

年金を含む社会保障費は、国家財政を圧迫しています。高齢者が増加する以上、黙っていればひたすら支出ばかりが増えてしまう状況です。

そこで、30年かけででも実質3割も年金を減らすことができれば、その効果は数兆円単位となります。これとインフレをあわせれば、GDP対比の債務残高と毎年の収支が同時に改善するというわけです。

いま現役の30〜40代がいちばん苦しい

もちろん、これで困ってしまうのは高齢者です。しかも、あとから高齢者になった人ほど苦しい状況になります。

そう、一番苦しいのは、いま現役世代の30代・40代ということになるのです。

この世代の人口は65歳以上の高齢者より少なく、選挙の投票率も低い傾向にあります。政府は選挙対策として高齢者の顰蹙を買うことなく、一方では将来に向けた布石を打つことができるのです。何ともよく考えられた仕組みです。

求められる自衛。ポイントは「収入源確保」と「インフレ対策」

こう見ると「政府の陰謀だ」と批判したくなりますが、それを言ってもはじまらないと思います。

社会保障費を減らさなければ国家財政はますます厳しくなり、危機的な状況に陥る可能性もあるからです(必ずそうなると言うわけではありませんが、リスクマネジメントの観点では大切です)。

声を上げることも大切ですが、それ以前に私たちがすべきことは「自衛」です。

ここで求められる対策は、以下の2点になります。

1)年金以外の収入源の確保
2)インフレ対策

年金以外の収入源の確保という観点では、まず「働く」ということがあります。長く働くために知識や技術、そして何より健康を保つことは人生の質を上げるという意味でも大切です。

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