新型コロナウイルスの感染拡大の影響でマスクの品薄状態が続いていることについて、平将明副内閣相が5日の参院予算委員会の答弁で、「マイナンバーカードをしっかり普及させれば、ITを活用して災害時や緊急時にマスクなどの物品を国民に普及させることは技術的に難しくない」との認識を示したことを毎日新聞が伝えた。
平副内閣相「マイナンバーカード普及でマスク買い占め防止」https://t.co/gCpxCTe7Up
—毎日新聞ニュース(@mainichijpnews) March 5, 2020
日本同様マスク不足に陥った台湾で、台湾政府が健康保険証のシステムを利用したマスク購入の実名制を導入。日本のマイナンバーに相当するIDカード(身分證)のナンバーによる購入ルールを設けている(参照:MAG2NEWS)ことに触れ、政府に導入を求めた自民党の小野田紀美氏に対し、平氏は「台湾はICチップが入ったIDカードをほぼ全国民が持っている」と答え、「マイナンバーカードが普及すれば、ICチップを使って、(マスクを)一人いくつとかを管理できる。今後の災害や感染症も想定される」と述べた(毎日新聞)という。
平氏のこの答弁に対し、ネットでは「新型コロナの混乱に乗って、国民の買い物を監視する仕組みを入れるなんてやめてほしい」「マスク不足に託けてマイナンバーカード普及に繋げ、市民を管理しようとする姿勢には恐怖すら覚える」「混乱に乗じて国民をコントロール。火事場泥棒とはこのこと」などと批判が殺到。
立憲民主党の蓮舫議員も「大事なのはマスクが在庫である店、ない店などのマッピング情報をPCや携帯で確認し、国民が買い占めに走らないようにすることなのにマイナンバーカード普及との答弁。消費増税にキャッシュレス決済を進めるためにポイント還元を行った時もそうだが、この内閣は本来目的を見誤る」と皮肉を投稿している。
大事なのはマスクが在庫である店、ない店などのマッピング情報をPCや携帯で確認し、国民が買い占めに走らないようにすることなのにマイナンバーカード普及との答弁。
消費増税にキャッシュレス決済を進めるためにポイント還元を行った時もそうだが、この内閣は本来目的を見誤る。https://t.co/KulBsLa3mC—蓮舫・立憲民主党(りっけん) (@renho_sha) March 5, 2020
デジタル担当政務委員(大臣に相当)のオードリー・タン(唐鳳)氏の活躍と合わせてコロナ対応が評価されている台湾政府(MAG2NEWS)が導入しているIDカードを用いたマスクの実名購入が日本で受け入れられないのは、「政府への不信感」とする声も多い。平氏の発言に対し、「マイナンバーカードが普及しない理由は、『信用できないから』」「この政権は、危機とか社会情勢とかにつけこもうとする姿勢がちらりちらりと見えるから信用しにくい」「活用方法が怪しいから持ちたくない」という投稿がいくつも上がっている。
災害時や緊急時に有効活用することもできるマイナンバーカードだが、今の日本では普及させることよりもまず、政府が信頼を回復させることの方が先決なようだ。
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