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15日の香港市場概況:ハンセン1.2%安で3日ぶり反落、景気敏感株に売り

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15日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比290.06ポイント(1.19%)安の24145.34ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が122.77ポイント(1.25%)安の9724.70ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は1120億6800万香港ドルとなっている(14日は1114億5900万香港ドル)。


世界経済の悪化を不安視した売りが先行する流れ。国際通貨基金(IMF)は14日、世界経済見通し(WEO)を更新し、2020年の世界成長率をマイナス3.0%に大幅下方修正した(1月時点はプラス3.3%)。新型コロナウイルス感染防止の大規模なロックダウンが世界に広がった事態などを注視し、1930年代の大恐慌以来で最悪の景気後退局面を迎えると予測している。また、中国に関しては1.2%のプラス成長を見込んだものの、1月時点のプラス6.0%からは大幅に引き下げた。ただ、指数はプラス圏で推移する場面もみられている。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、中期貸出制度(MLF)を通じ、計1000億人民元を市中に供給した。金利を3.15→2.95%に引き下げたことで、来週20日に公表される事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しても、「引き下げの可能性が高まった」との見方が一段と強まっている。


ハンセン指数の構成銘柄では、石油生産大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が5.2%安、石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が4.1%安、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が4.0%安と下げが目立った。原油相場の急落も嫌気されている。時間外取引のWTI原油先物は、再び節目の20ドルを割り込む場面があった。


セクター別では、非鉄やセメント、鉄鋼など素材関連が安い。中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が4.7%、新疆新キン鉱業(3833/HK)が3.0%、中国建材(3323/HK)が3.5%、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が2.2%、鞍鋼(347/HK)が3.8%、中国東方集団HD(581/HK)が3.4%ずつ下落した。


中国不動産セクターも急落。龍湖地産(960/HK)が7.9%安、融創中国HD(1918/HK)が7.1%安、景泰富集団HD(1813/HK)が4.4%安、華潤置地(1109/HK)が3.5%安、中国海外発展(688/HK)が3.0%安、万科企業(2202/HK)が2.9%安と値を下げた。華潤置地が14日引け後に公表した3月の営業実績では、不動産成約額が前年同月比で13.3%減少。業界全体の成長鈍化が懸念された。龍湖地産に対しては、大株主が近く保有株の一部を売却する——との観測が流れている。


一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.57%安の2811.17ポイントで取引を終えた。資源・素材株が安い。不動産株、金融株、消費関連株、海運株、自動車株なども売られた。半面、ITハイテク関連株は高い。医薬品株や空運株も買われた。

亜州リサーチ(株)



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