海外依存の高い日本
日本の輸出依存度(つまりGDPに占める輸出の割合)は14%程度で、世界の主要国の中ではむしろ低いほうになります。
しかし、資源のない日本は、石油や鉄鉱石など、エネルギーや原材料、食料の多くを海外に依存しています。石油は99%海外に依存し、食料でさえ6割以上を海外からの輸入に依存しています。
そして近年ではコストの安い海外で生産を行い、部品もコストの安い海外から取り寄せるようになっています。
このため、石油ショックのように、石油が入らなくなるとか、価格が高騰すれば日本は逃げ場がなくなり、生産が止まるか、異常なコスト高に見舞われます。
長雨など異常気象でコメが不作になると、主食のコメまで輸入米に頼らなければならないこともありました。
武器、防衛も米国頼みです。
貿易額が示す以上に、日本は海外依存が高い国となっています。
内需拡大が必要
その海外への依存が制約されるようになっているだけに、日本もこれを踏まえた戦略の切り替えが必要です。
すでに米国は約200年前の「モンロー主義」を超えた「米国第一主義」を貫き、反グローバル化を進めています。実際、大規模な経済政策で内需を拡大し、世界に出ていた米系のグローバル企業を米国に呼び戻しています。
EUもコロナ禍を経て再び国境を制定し、あのドイツでさえ、大規模な財政政策を打ち出し、内需拡大を図るようになりました。
日本はコロナ対応も遅れましたが、ようやく117兆円という事業規模の緊急経済対策を打ち出しました。これも見た目ほど内需拡大効果はありません。営業できない企業、働けない労働者に給付金を与えても、当座の「呼吸」をできるようにするだけで生産には結び付きません。
つまり、支払いの猶予や困った人への所得の移転が中心の政策で、グローバル化縮小を穴埋めするような内需の掘り起こしは意図されていません。
一時的ではなく、かなりの期間反グローバル化が続くとの前提で、これに対処する必要があります。