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中国で盛り上がる「彼女ゲーム市場」とは何か?日本のゲームをも変える“Pay to Fun”方式=牧野武文

神運営で人気化した『QQ農場』

「Pay to Win」の成功により、スマホゲームが大きな収益をあげられるビジネスとなり、「Pay to Win」のゲームが続々と登場しました。しかし、その中には、ガチャを何度も引かせて、課金をさせることを目的としたゲームもあり、次第にガチャは社会問題となり、さまざまな規制がかけられるようになっています。

QQ農場は、この点でも非常にうまい方法をとっていました。無料ゲームであり、しかも遊ぶのに課金をする必要性を感じないのです。のんびりと作物が育つのを待っていればいい。多くの人が無料で楽しく遊べます。しかし、畑を耕していると、時々有料アイテムが見つかるのです。有料のアイテムが無料で手に入るので、誰もが喜び使ってしまいます。一度使ってみると、そのアイテムの効力を体験することになり、なくなると欲しくなる。それで買ってしまうということになります。

ゲームを無料で提供し、アイテムも無料で提供し、体験させて購入に結びつけているのです。パズドラでも似たような手法が使われました。魔法石は有料アイテムですが、通信障害などが起きると「おわび」と称して、全員に魔法石を配布します。これも魔法石を体験させることで、購入に結びつけているのです。

このような運営上の工夫=神運営は、ガチャゲームが短期での収益性を重要視するにつれ消えていき、次第に、射幸心を煽ってガチャ課金をさせるというよくない状況に陥り、スマホゲーム離れを起こすことになりました。現在は、ただ課金をさせることが目的のガチャゲームは、なかなか収益が上がらない苦しい状況になっています。

その原因は明らかです。ゲームというのは何かの達成感を得るために遊ぶものです。一般的なテレビゲームでは、上手になるに従って自分が成長した感覚を得ることができます。ソーシャル要素が導入され、他のプレイヤーと闘う、競い合えるようになってからは、勝つことで、自分に知恵があったり、技術が高くなったと感じられるようになります。しかし、収益性だけを考えたゲームでは、課金をたくさんした人が勝つようになります。

これは少しも面白くありません。自分の知恵や操作技術で勝つことは楽しくても、課金をたくさんして勝つことは面白くないのです。なぜなら、誰でも課金さえすれば勝てるからです。いわゆる行きすぎたガチャゲームは、ゲームの本質をも腐らせてしまいました。

「Pay to Fun」ビジネスの誕生

このようなことから、生まれてきたのが「Pay to Fun」の考え方で、『王者栄耀』はこれで成功をしました。

王者栄耀も無料で遊ぶことができるスマホゲームです。キャラクターを選んで、別チームと戦うMOBAですが、課金をしないでも遊べます。課金をしたから強くなるとか、特殊な武器や能力が得られるということはありません。

つまり、課金はまったくゲームを有利にしません。勝つためにはチームワークと個人の操作技術のみで勝負をすることになります。

では、どこで課金をするのでしょうか。それは自分が使っているキャラクターにコスチュームや飾りなどを買うのです。これは戦闘にはまったく影響せず、ただ見た目がよくなるというだけです。

これが「Pay to Fun」です。

このような「Pay to Fun」タイプのゲームの場合、ひとつのキャラクターを使い続けるというのが原則です。そのため、遊べば遊ぶほどキャラクターに愛着が湧いてきます。そのため、お金を支払ってでもキャラクターを飾りたいと思うようになるのです。

Next: その程度のことで収益は上がるのだろうか?と疑問に思われる方もいるで――

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