ゲーム寿命を延ばした「Pay to Fun」ビジネス
その程度のことで収益は上がるのだろうか?と疑問に思われる方もいるでしょう。現在では、「Pay to Fun」のほうが収益が上がりやすいという考え方が支配的です。
確かに「Pay to Win」の方が収益の爆発力はあります。しかし、ゲーム寿命が短期で終わってしまいがちなのです。課金をしてキャラクターが強くなるということは、RPGであれば敵のモンスターもそれに合わせて強くしなければなりません。互いに強さが上がっていくため、戦いの難しさは変わらず、同じことを繰り返している気分にさせられます。つまり、飽きてしまいやすいのです。
プレイヤー同士が競い合う場合は、課金をたくさんした人が絶対に強いですから、多くの場合、戦いの場をレベル分けしますが、課金をしたくない人はいつまで経っても初心者クラスから抜け出すことができません。これも飽きてしまいます。
「Pay to Win」のゲームでは、いかにプレイヤーを飽きさせずに惹きつけ続けるか、これが大きな課題になります。それには新しいマップやフィールドを常に追加し続けなければなりません。しかし、このような追加開発には資金が必要になります。
結局、収益は爆発的に増えますが、それを維持するには追加開発が必要になり、しかも、ゲーム寿命を長くすることは難しいのです。
一方で、「Pay to Fun」ゲームは、収益の爆発力はありません。しかし、プレイヤーは遊べば遊ぶほどゲームが上手くなり、勝てるようになっていきます。特にMOBAのようなプレイヤー同士の対戦型ゲームでは、世界のどこかに驚くほど強いプレイヤーがいるものです。上には限りがありません。ゲーム寿命は長くなります。
そして、キャラクターに愛着が湧くと、新しいコスチュームを着せてやりたくなる。課金の頻度は高くなくてもゲーム寿命が延びるため、ライフタイムでの収益は、「Pay to Fun」よりも高くなると考えられています。
しかも、プレイヤーの技術を競うゲームですから、「eスポーツ」として大きなイベントを開催できる可能性もあります。一般のスポーツと同じように、企業がスポンサーになったプロチームも作れる可能性があります。
ビジネスとしても、「Pay to Fun」の方がはるかに大きな可能性を持っているのです。
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「Pay to Fun」方式が女性ゲーマーを呼び込んだ
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ゲーム市場の女性の寄与割合は年々上昇
女性ゲーマーが多いヒット作品
ゲームの好みに男女差がなくなっている
「彼女ゲーム市場」を意識したゲーム会社の戦略とは?
アリババ物語:その21
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『知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード』(2020年6月15日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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