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韓国の高齢化率「日本抜き」20年早まる。親日派排除の“独善”政治で経済崩壊へ=勝又壽良

支持母体「労組」「市民団体」のために動く韓国政府

日本の目から見れば、韓国政治はその時代遅れに驚くことばかりである。

政治意識の面で言えば、現在の韓国は、日本の明治維新頃であろう。当時は、「藩閥政治」が全盛期であった。具体的には、薩摩・長州の出身者が明治新政府を担い、他藩出身者を排除されたのである。この状況と、現在の文政権はどこが違うだろうか。

文政権は、労組と市民団体に支持されている。政策は、この2団体に有利になるような視点で選択されているのだ。文政権は、韓国全体を見渡した政策選択でない。それゆえ、すべて失敗したのだ。

それでも政権が持っているのは、強固な支持基盤である労組と市民団体が、利益を受けているからだ。労組は、最低賃金の大幅引き上げで大きな賃金メリットを受けた。市民団体は、政府の手厚い補助金によって潤沢な財政基盤を築いている。さらに、突然の原発廃止による太陽光発電で補助金も手にした。

脱原発では、福島原発事故を誇大宣伝して、韓国内で「放射能恐怖」をまき散らしている。福島県などの海産物に対して、「放射能汚染」を宣伝して輸入規制させている。これは、韓国の脱原発=太陽光発電促進気運を永久に変えさせない目的から始まった話だ。韓国市民団体は、NGO(非政府組織)という立場を放棄して、文政権と一体化しているのだ。この意味で、韓国には中立的立場の市民団体は存在しない。

韓国政府の資料によると、昨年3万7,000余の市民社会団体が、政府や地方自治体の支援を受けたという。その大部分が、政府・地方自治体事業に参加する方式で補助金やサービス代金を受領している。大多数の団体は公的資金に頼っているのだ。権力と資本の横暴を監視するとして作られた市民団体が、企業体から金を受け取ることも1度や2度ではない。「収益事業」をしているのか、市民団体活動をしているのか、区分しにくい状況に置かれている団体も多い。

以上は、『中央日報』(6月9日付)社説で指摘している点だ。文政権は、補助金給付で市民団体を支持母体に組み込んでしまった。ヒトラー初期の懐柔策に似た手口である。

独の全体主義と関連性

ヒトラー政権は後に、反対派を切り捨てる全体主義に転じた。文政権の政治思想は、ドイツの政治哲学者カール・シュミットの政治理論と深くつながっていると指摘されている。シュミット理論は、全体主義の国家観でナチス・ドイツの基礎となった危険なものである。

シュミット理論は、相手を「敵・味方」で区分して、敵側を徹底的に排除するやり方である。これでは、民主主義政治の原点である話し合いとは真逆である。「敵・味方論」に立てば、味方だけのサークルが形成される。ここには、「共存共栄」という市民社会の本質が失われ、専制主義時代の派閥政治に戻らざるを得ないのだ。

韓国経済盛衰のカギはここにある。文政権による党派性政治の危険性は一見、正義に基づく政策選択を装い、経済的合理性に適っているかという視点の検証がないことだ。「正義」と言えば、絶対的な価値基準である。「葵の紋所が見えないか」という時代劇の台詞の通り、これに逆らうことは難しい。文政権は、「正義・道徳」を連発しているのだ。

Next: 文政権は、この正義論を振りかざして反対派の論拠を無視して来た。例えば――

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