マイナポイントについての素朴な疑問
今回のラジオ出演で、改めて「マイナポイント」について疑問や改善案が出てきましたので、付記しておきます。
1)マイナポイントは2万円が1つの目印
25%還元と上限5,000円という仕組みですが、すでに述べたように2万円を使うと5,000円で札止めとなります。また期間は2021年3月末までの7カ月ですからコツコツ貯めることもできるのですが、2万円で終わりになりますから早めに5,000円獲得してスッキリした方がいいと私は思います。いずれにしろ今回のマイナポイントは2万円が1つの目印となります。そこをしっかり理解することが大切でしょう。キャッシュレス・ポイント還元事業の時のように長期的にポイント獲得を続けることは無理です。
2)「紐付け」ではなく「登録」です
マイナポイントを獲得する時には必ずマイナンバーカードとキャッシュレス決済のツールを紐付けないといけないと言われます。で、例えば、クレジットカードからマイナンバーカードにチャージして、マイナンバーカードで買い物するイメージを抱くのですが、しかし実際はまったく関連がありません。マイナンバーカードには決済機能がないからです。そこで多くの人が紐付けが必須と言われるので、つまずいてしまうのです。正しくはポイントを提供したいがために無理矢理関連付けたということではないでしょうか。いずれマイナンバーカードに決済機能がつけば紐付けることも意味が出てくるでしょうけれど、今のところは意味がなく、正しくは登録というべきでしょう。
3)「毎月上限5,000円 × 7カ月」でやって欲しい
上限5,000円という部分も問題です。25%もの高還元率を誇るなら上限を1万円とか2万円にすればよかったと思うのですが。それか、毎月上限5,000円にするならまだわかるのですが、7カ月間で5,000円ではまったく使い道がありません。誰の入れ知恵でしょうか。
4)法律的にはどうなの?
25%還元というのは景品表示法に抵触すると誰かが言ってたように思うのですが、本当のところはどうでしょうか。
5)1度しか「カード登録」ができない理由は?
1度しかカードが登録ができないのも不便です。それなのに決済事業者は各社ともポイント還元で競争しているのは、何となく矛盾を感じさせます。ポイント競争をやるならいくつものカードに乗り換えができなければ面白くありませんし、公平ではないと思います。この辺も制度的に疑問もあります。おそらく現実はシステムが古くて登録カードを頻繁に変更するとそれだけで負荷がかかり故障の原因になるからではないでしょうか。それを恐れてカード乗り換えをできないようにしているのではないですか。
6)自治体のインフラ整備は大丈夫なの?
私は基本的にマイナンバーカードに反対してきましたが、最近は賛成する部分も出てきました。将来ベーシックインカムが必要になった時その受け皿として期待できると思うからです。しかし今回の10万円の給付金配付にマイナンバーカードを使おうという時のドタバタ騒ぎを見ていると不安になってきます。まず自治体のインフラの整備が必要だと痛感しています。
<初月無料購読ですぐ読める! 8月配信済みバックナンバー>
※2020年8月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
- マイナポイント開始まで1ヵ月(8/1)
※有料メルマガ『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』好評配信中!ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込880円)。
- 楽天ペイ×Suica陣営独走の勢い!!(7/15)
- 利用金額の25%がポイントとしてもらえる、マイナポイントとは?(7/1)
- ニューノーマル時代のキャッシュレス(6/15)
- ポスト・コロナ時代にキャッシュレスはどう変容するのか?(6/1)
- コロナ騒動で一番得したのはあのカード!(5/15)
- 新型コロナ感染で笑うカード! 泣くカード!(5/1)
- 「出前ポイント」の大阪府~新しい取り組みをみせる自治体(4/15)
- ポイント還元事業の期間延長はあるのか?(4/1)
『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』(2020年8月1日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場
[月額880円(税込) 毎月1日・15日配信]
世の中すっかりカード社会になりましたが、知っているようで知らないのがクレジットカードの世界。とくにゴールドカードやプラチナカードなどの情報はベールに包まれたままですから、なかなかリーチできません。また、最近は電子マネーや共通ポイントも勢いがあり、それらが複雑に絡み合いますから、こちらの知識も必要になってきました。私は30年にわたってクレジットカードの動向をウォッチしてきました。その体験と知識を総動員して、このメルマガで読者の疑問、質問に答えていこうと思います。ポイントの三重取り、プラチナカード入会の近道、いま一番旬のカードを教えて、などカードに関する疑問にできるだけお答えします。