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為替週間見通し:ドルは伸び悩みか、FOMC議事要旨などが手掛かり材料に

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【今週の概況】
■米長期金利上昇を意識してドル強含み

今週のドル・円は強含み。米長期金利の上昇を意識してリスク選好的なドル買いが優勢となった。トランプ米大統領は追加経済策で大統領令に署名したことを受けて、アメリカの景気見通しは改善。米国の経済指標では8月11日発表の 7月生産者物価指数(PPI)と12日発表の7月消費者物価指数(CPI)はいずれも市場予想を上回った。また、13日発表の週間新規失業保険申請件数は3月中旬以降初めて100万件を割り込んだ。経済指標の改善は米長期金利の上昇を促し、ドル買い材料となった。

14日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時106円44銭まで下落した。この日発表された7月の米小売売上高は市場予想を下回ったため、ドル売りが優勢となった。ただ、その後発表された8月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は市場予想を上回ったことから、リスク回避的なドル売り・円買いは一服。ドル・円は106円58銭でこの週の取引を終えた。取引レンジ:105円71銭−107円05銭。

【来週の見通し】
■ドルは伸び悩みか、FOMC議事要旨などが手掛かり材料に

来週のドル・円は伸び悩みか。米国の7月雇用統計は、予想以上に強い内容だったことから、目先的にはリスク回避目的のドル売りポジションを解消する動きが続く可能性がある。7月1日の高値108円16銭までのドル上昇の余地はありそうだが、8月19日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、経済見通しについて慎重な意見が多くみられた場合、ドルを買い戻す動きは一服する見通し。

米国の追加経済対策の規模をめぐってトランプ政権と民主党指導部の協議は難航していることや、米中対立の先鋭化で一段のドル上昇は抑えられるだろう。欧州連合(EU)復興基金創設を背景としたユーロ高も引き続き注視される。1ユーロ=1.19ドル台前半まで強含んだ後は利益確定売りに押されたものの、1.17ドル台では押し目買いが観測されている。何らかの要因でユーロ高・米ドル安が進行した場合、ドル・円の上値は多少重くなる可能性がある。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(8月19日公表予定)
FRBは8月19日に7月28-29日に連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表する予定。ハト派寄りの姿勢は明確であることから、一段の緩和的な政策手段への思惑が広がり、ユーロ買い・ドル売りの要因となる可能性がある。

【米・8月フィラデルフィア連銀景況調査】(8月20日発表予定)
20日発表の8月フィラデルフィア連銀景況調査(製造業景気指数)は21.0と、前月実績を下回る見通し。ウイルス感染の再拡大によって製造業は7月までの回復基調を維持することは難しいとの思惑が広がっている。そのため、市場予想を下回った場合、リスク選好的なドル買いは後退する見通し」。

予想レンジ:105円00銭−108円00銭


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