日本に居住しているすべての人及び世帯を対象に、5年に1回行われる国勢調査。14日からは各世帯への調査票などの書類の配布が始まった。
1920年の実施開始以降、戦争直後の1945年は行われず翌々年に臨時調査となったものの、現在まで長らく続いている国勢調査。今回は10月1日現在の家族や就業の状況など、16の質問に答えることとなっていて、統計法によって回答が義務づけられている。
回答は来月1日以降は郵送で調査票を送ることもできるが、今回は新型コロナ対策のため、インターネットでの回答が広く呼び掛けられている。
マスクをせずに来る調査員の報告が
そんな国勢調査だが、近年では調査員の訪問を訝しむ人や調査の意義に疑問を持つ人が増えているのが実情で、回答が満足に得られず調査の精度を維持できるかが課題になっているという。
ネット上でも、各世帯に訪問してきた調査員に対して居留守を使った、なかには拒否をしたという声も、早速あがっている。
国勢調査員が調査用紙を持って来て、唐突に「世帯人数は何人ですか?」と訊ねて来たので、「たとえ調査員でも、貴方に個人情報を答える義務はない」と拒否。相手は高齢なアルバイトらしき男性。この人が個人的に情報を悪用する可能性もゼロではないのだよね。
— hiro. (@Granjatte) September 14, 2020
そういえば国勢調査の調査員のひと来たけど、何か目印みたいなん付けててくれたらな。
おばさんだと宗教かな?と思って出ないし、男だと怖いから出ない。宅配のひと以外、若い女性しか出ない…— けまち (@kumacchi123) September 14, 2020
人々は具体的に国勢調査のどんな点に不満を抱いているのか。ネット上の意見を見ると、まず挙がるのが「アポなし訪問」だ。
国勢調査ってわざわざインターホン押す必要あるの??
旦那がいない時は宅急便とか以外居留守する方針だからな……
何回もしつこいな
ポストに全部入れといてよ😠— マオえもん🐱 (@otora_utaso) September 14, 2020
昼間突然なるチャイム、最近アポなしで来るの宗教の関係の人ばっかだからスルーしてたけど、後で国勢調査員だったと判明。次着たら出てやるかとか思ってたらホントに着て、すぐに玄関まで逝ったけど扉開けたらもう立ち去ってた。そっちも家人が出てこない前提かよォ…
— ふらも (@9DMeHg52OmoRbKk) September 13, 2020
ネットでの回答が推奨されている今回の国勢調査だが、それも調査書類に記載されたログインIDやアクセスキーの入力が必要。つまり、書類を持った調査員の自宅訪問は避けられないということで、突然鳴るチャイムに驚き身構える人が多い模様。なかには突然のピンポンで赤ちゃんがギャン泣き、といった苦情の声もあった。
さらに、コロナ禍での国勢調査ということで、特に多く見られたのが「マスクをせずに来る調査員」問題だ。
たった今「国勢調査のお願い」を持った人が来たけどマスクしてなかった。
うちはインターホンが無いのでドアを開けないとこちらからは調査員かどうかの確認が出来ない。
仕方がなく台所の窓を開けて確認をして家族構成やら答えて用紙を台所の窓から受け取った。
対面じゃないならマスク無しでいいの?— もっちー LOVE (@daisuki8013) September 14, 2020
国勢調査で調査員が訪問しに来たけど、マスクもせず、調査員の名前も言わなかったんだけど( ー`дー´)
玄関開ける前にマスク着用してて良かったわ。
これだからは田舎は〜(¯∇¯٥)
で済む問題じゃないですからね?教育の指示は出てるってコールセンターの人が驚いてたよ…(¯―¯٥)#国勢調査
— 🐥ぴよちゃん🐣 (@piyochan_pika) September 14, 2020
国勢調査の用紙もって担当の人が訪問してきたんだけど、マスクしてないんですけどΣ(゜Д゜)
だからインターホン越しに対応したかったのに出てきてほしいって(ーー;)
あり得ない‼️
どこに言えばいいの?— はる (@haru_w_11) September 14, 2020
上記のツイートを見るに、マスク着用の徹底は調査員に通達されているようだが、それでも多いマスク未着用での訪問。最近は東京都でもコロナへの警戒度を下げるアナウンスもあったが、それでも感染予防を気にしている人は依然多いわけで、そういう人たちにとっては脅威の存在に他ならないだろう。
ネット回答だと電話番号の記載が必要?
いっぽうで、やはり気にしている人が多いのが、個人情報の漏洩への恐れだ。
昔、国勢調査の調査票を封して調査員に渡したのに、次の日、近所中が勤務先を知っていたことがあったな。気持ち悪くて即、引っ越した。インターネットで回答できるのはありがたい https://t.co/SgBKw18F4v
— きよぞお 🇨🇦🌘バンクーバーの翻訳屋 (@SailorMoon_Wide) September 13, 2020
国勢調査の用紙が届いた。インターネットや郵送で回答できるようになったのはよかった。以前、私の職業を見た調査員から、個人的な相談に乗ってもらいたいと電話がかかってきたことがある。こういうことがあるから、個人情報は守られるといっても、もう一つ信用できないんだよね。
— 隠居じじいJIN (@karajin228) September 14, 2020
プライバシーへの意識が希薄だった過去には、上のツイートのような事例も多くあった模様。ただ、今回からはインターネットを使っての回答が推奨されているとのことで、そういった問題も解消されるかと思いきや、新たな不審点も出てきているようだ。
国勢調査届きました😃
即ネットで回答😨
ただ、郵送なら「電話番号」必要なし😓
良く説明書を読んでからやるべし😱 pic.twitter.com/haw8DlAwjb— ヤマヒロだ~! (@yamahiroda69) September 14, 2020
国勢調査、郵送だと電話番号記入欄がないのに、ネットだと電話番号記入欄があり、しかも、ネットによる回答を推奨しているというのは完全に個人情報の収集が目的だろ。コロナ対策でネット推奨なら電話番号はいらないよね
— takaoharada (@takaoharada) September 14, 2020
いち早くインターネットで回答した人からの声によると、郵送などでの回答の際には必要のなかった電話番号の記載が、なぜかネット回答の場合は求められるとのこと。どうして回答方法の違いで記載すべき項目が増えるのか、その意図は不明である。
調査員はもう二度としたくない
これら様々な声を見るに、調査員が調査書類が持参し、それを回収するという従来からの方法が、様々な問題の原因となっている構図が浮かび上がる。過去に調査員を経験した人たちからも、一様に「大変な仕事」「二度としたくない」という声があがっている。
国勢調査のバイト。
時給がスゴイ良いらしく弟が一度やったことがあるんだけど、居留守を使い続ける人、いきなり怒鳴りつけてくる人、金払えって言ってくる人、書いてやるからゴミ出してこい、襲い掛かる犬、
メチャクチャな人とも回答をもらえるまで通わないといけないので二度とやらないって言ってた— 大鳥 (@Otori0704) September 13, 2020
私前回国勢調査員やったんだけど、その時も色々やなめにあった。
調査員に名前や世帯人数言う必要あるのかね……。個人情報……。
全部ポストで書類渡してやってもらうでいいじゃん。対面で話したってやらない人はやらない。
そもそも出るのが面倒いもんね— 河月玲⛸️🔥💎11月氷奏 (@MasuoRay) September 14, 2020
今回からインターネットでの回答が導入されたものの、それでもその調査方法に今の時代にそぐわないところが多々見られる国勢調査。国の今後の施策をも左右する重要な統計調査だという意義はわかるだけに、次回5年後の調査までになんとか改善されないものか、期待したいものである。
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