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苦境のユニクロは「買い」なのか? バフェット流12の視点で分析する=八木翼

Q5:その企業の1株当たり利益(EPS)は安定成長しているか

EPS(円/株)
2016 588.5
2015 1079.0
2014 731.5
2013 1026.0
2012 703.0
2011 533.7
2010 606.0
2009 489.0
2008 427.4
2007 312.0

年平均EPS成長率:6.6%

2016年のEPSは先日発表された予測値を使っています。

さて、今回最も減益に影響を与えた項目は何でしょうか?それは為替です。

為替差損で228億円計上しています。純利益は、514億円ですので、為替がかなり大きな影響を持っています。そう考えると、決して成長率が下がったと言うわけではなく、為替に由る影響も大きかったと考えるべきですね。

もしこの為替差損がなければ(228+514)/514=1.44となり、44%の増益となります。為替でかなりぶれが出ることになりますね(しかもこれ第2四半期1つでのぶれです)。

まあ、そのための平均なんですが。

Q6:その企業は安定的に高いROE(株主資本利益率)をあげているか

決算年 ROE
2015 13.4%
2014 19.1%
2013 20.4%
2012 18.1%
2011 22.6%

平均ROE:18.7%

ROEはかなり高いですね。ROEが高いのになぜEPSの成長率が微妙なのでしょうか?

バフェットの理論であれば、ROEが安定して高い企業は自社株買い戻しをして、自社株価値を上げようとしますが、ユニクロはまだ、成長余地があり、様々なところに投資をしています。

そのため、なかなかEPSには反映されないわけですね。

簡単に考えれば、日本よりも世界を目指しているため、収益率が高くない場所にも投資している結果です。

しかし、世界に店舗を持つことは、安定性を増すため悪いことではありません。

今後、ある程度世界に店舗を持ったのであれば、自社株買い戻しで、株主に利益を還元してほしいと思います。

まだ、この点はどうなるかわかりませんね。

Q7:その企業は強固な財務基盤を有しているか

財務基盤を見る際は、自己資本率が良く使われますが、それはバフェット的にはNGです。長期債務に対して、どれだけ稼ぐ力を持っているかが重要と考えています。

今期の長期負債(百万) 27,604
今期の税引き後利益(百万) 54,359
長期負債/税引後利益(年)
(長期負債を税引き利益で返済するのに必要な年数)
0.51

1年以内に返せますね。全く問題ありません。ここら辺は、シマムラと同じですね。

Q8:その企業は自社株買い戻しに積極的か

自社保有株式は、発行していないとみなしています。

今期発行済み株数 106073656.00
10年前の発行済み株数 106073656.00
過去10年間に減少した株数 0.00
減少した割合 0.00

特に自社株買い戻しなどはしていないようです。

Next: Q9:その企業の製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回っているか

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