NTTドコモが、ドコモサービス以外のSNSやゲームアプリの初期設定やデータ移行などを有料でサポートするサービスを、12月1日より開始すると発表し、大きな話題となっている。
NTTドコモの11月19日付のリリースによると、対象となるアプリは「LINE」「Twitter」「Instagram」「Facebook」「メルカリ」「モバイルSuica」「ディズニー ツムツム」「Pokémon GO」の8つ。料金は、1アプリにつき1,650円(税込)で、ドコモの回線を持っていれば申し込めるという。
以前より、同様のサービスを約250店舗のドコモショップで試験的に実施していたところ、利用者から好評の声が多かったとのことで、全国的にサービスの提供を始めることになったという。
「1,650円」という価格設定の真意は?
今回のNTTドコモの発表を受けて注目が集まったのは、「1アプリにつき1,650円(税込)」というサポート料金の価格設定だ。
なんつうぼったくりサービスw
>> 報道発表資料 : (お知らせ)ドコモショップで「アプリ設定サポート」の提供を開始 | お知らせ | NTTドコモ https://t.co/8MDIMKmam4
— ヒゲノマダオ㌠ (@HigenoMadao) November 19, 2020
やはり、反応として多いのは「ぼったくりじゃないか?」という声。例えば、元のスマホが故障してしまって、そこにあったデータを新しいスマホに移行したいといったケースなら、骨が折れる作業となりそうだが、そうではなく普通のデータの引き継ぎなら、正しい手順さえ守れば問題なくできるということで、「そんなの自分でやるのに」といった声が多くなるのは当然の話だろう。
「ぼったくりすげーな」って思ったけど他のツイート見てると今まで無償でやってたみたいなのあってあぁなるほどとなった。
ドコモ、LINEやSuicaの移行・設定を有料サポート。1アプリ1,650円 – Impress Watch https://t.co/N5861H0muz
— vivienne😼 (@vivienn01817244) November 19, 2020
とはいえ、今までその手の作業はドコモショップのスタッフが無償でやってきたんだという声も。今の時流でスマホは持っているけど、実は機械音痴という人、あるいはそういうのがとにかくめんどくさくて、可能ならば他の人にやってもらたいという人、恐らくはご年配に多いのかと推測されるが、そういった層は一定数存在し、頼まれたらスタッフも嫌とは言えず……といったことが、これまでは多かったようだ。
タダでスマホやPCの設定をさせようとする相手にも「ドコモ価格ならアプリごとに1650円」と言って断りやすくなりそう / “ドコモ、店頭でLINE・ツムツムなどの初期設定を教えるサービス 1アプリ1650円 – ITmedia NEWS” https://t.co/oao81ZVYd2
— 多根清史 (@bigburn) November 19, 2020
無料でサポートさせる暇老人を撃退する施策だろ。 QT ドコモショップ、「LINE」「Twitter」「ポケGO」などアプリ設定サポートを開始へ 1アプリ1,650円 https://t.co/UTBSkdMg7m
— 未承諾広告※ shangli (@S_shangli) November 20, 2020
そういった事情もあり、今回そのサービスに値付けをすることで、その手の要望が断りやすくなるのではと推測する方も。なかには「無料でサポートさせる暇老人を撃退する施策」といった口の悪い指摘もあるが、確かに1,650円という決して安くはない価格を付け、「それなら自分で……」といったユーザーを増やすことで、スタッフの儲けにならない負担を減らすといった狙いも、今回の件には恐らくはあるのだろう。
え、そんなんで1650円!!!!
時給8000円くらいですか…。まぁ、責任は重たいですからねぇ…。
ドコモ、LINEやSuicaの移行・設定を有料サポート。1アプリ1,650円 https://t.co/OcSZRz8kgj
— 行政書士 辻太輔 (@visa4you_tokyo) November 19, 2020
「絶対に失敗が許されない作業」を1日に何十件もする仕事になるのか…。/ ドコモ、LINEやSuicaの移行・設定を有料サポート。1アプリ1,650円 – Impress Watch https://t.co/Ub3KJMgFdd
— Nochi (@shikarunochi) November 19, 2020
いっぽうで、このサービスは「責任は重たい仕事」「絶対に失敗が許されない作業」と指摘する意見も。「Pokémon GO」のようなゲームでも、もしも引き継ぎに失敗したとなれば「4年以上かけて集めたポケモンが……」ということになるし、ましてや仕事上でも活用している人も多いSNS系のアプリなら、下手をすれば損害賠償といった話にもなりかねない。そう考えれば1,650円という価格設定も、少しは納得できるといったところだろうか。
横行するご老人への高額売り付け行為
今回の件に関しては、「情弱な老人向けサービス」「無料サポートを強いる老人撃退施策」といった声が飛び交うなど、ご老人を絡めた言説が多く見られるが、実際最近のキャリアショップはそういった方々の憩いの場として機能している一面もあるようだ。
今日、予約していたdocomoのお店に行ってきました。
土曜/日曜は、学生さん達が多いと思いますが、月曜(今日)は、おじいさん、おばあさんが多かったですね。例えていうなら、午前中の個人の病院状態かな‼️
あれは、docomoの人達も大変だ‼️— suesan (@suechan_b4_rsk) November 16, 2020
要は高齢者対策でしょうね
ドコモショップは老人ホーム化してる所が結構ありますし— はみはみch 【公式】 (@IP1AWbr9IZxwMNX) November 19, 2020
スマホユーザーなら入店することに憚りはないし、くつろげるソファーや綺麗なトイレもあって、さらに無料でお茶や水も飲めるとあれば、そりゃ集わなければ損、といったところだろうか。また以前までなら、この手の場所といえば病院や医院の待合室あたりが定番だったと思うが、昨今はコロナの影響で以前のように病院などで長居をしておしゃべりといったことが難しい、あるいは感染の恐れがあるというのも、キャリアショップの“憩いの場化”に拍車をかけているようだ。
久しぶりにドコモショップに行ってきたが、老人が予約してないのに来た、車待たせてるから早くしろ、バッテリー無いと電話出来ないの?等 隣で対応してた店員おつかれさんって感じだったw
— sxix (@hxmxa) November 19, 2020
また、そのようなご老人がスタッフ相手に面倒な対応を強いているとの報告もあり、今回の有料サービス開始の背景とも関連するが、ショップ側の負担は相当なものなようだ。
ただ、そのいっぽうで“老人騙し”とも言われかねないような、ショップ側の売り付け行為も最近は殊に増えているようで、SNS上でもその手の報告が後を絶たない。
先月SBから楽天に変える時、店員に5G対応携帯にすべきか聞いたら『まだ対応エリアが少ないので何年かは気にしなくていいですよ』と言われた。
だが、我が人口六万人のド田舎故郷にて、友人の母はドコモ店員の言いなりに5G対応プラン&機種に変更したそうだ。老人騙し商売、恐ろしい https://t.co/9LuLcs264E
— たいほ@海外渡航自粛 (@psychobiati) November 15, 2020
80歳を超える祖父も携帯変えたらiPad契約させられてました。無料だよ!と言われたらしいけど初月だけで、しっかり24回払いの合計5万円弱。そのiPadは激古で容量低くて、帰宅後に電気屋のチラシ見たら、同型のものが叩き売りで3万円くらいになってた。自分らのノルマを老人に押し売りしたdocomo💢💢 https://t.co/3kVcVPlHc1
— fountain (@fountainKg) November 14, 2020
こうしてみると、実勢価格よりも高い価格で端末やメモリーカードなどをローンで買わせるのは、もはや定番の模様。それにくわえ「バッテリー交換ができない」と説明し機種変更を勧める、また5Gの電波がまだ飛んでいないような地方のご老人に最新の5Gスマホを買わせるなど、何も知らないご老人を相手に、まさにやりたい放題といった感じである。
キャリアショップに集い、時には無理筋な要求もするご老人たちと、それらを相手に高額な契約を狙うショップ側との、ある意味では“蜜月”ともいえる関係性。とはいえ、自分の身内がそんなので損するのはまっぴらだという方は、折を見て連絡して端末の買い替えやデータの移行等の際はしっかりと面倒を見てあげるのが良さそうだ。
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